第110回 午前 問2
公衆衛生看護活動展開論
生活習慣病に関する問題
予防活動の概念図を以下に示す。生活習慣病に対する取り組みのうちAにあたるのはどれか。
予防活動の概念図:
- 縦軸は「頻度」、横軸は「リスク」(左が「低」、右が「高」)。
- 実線の山形の分布曲線と、それより左(リスクが低い側)に頂点がずれた破線の山形の分布曲線がある。2つの頂点の間に、実線から破線へ向かう左向きの太い矢印がある。
- 実線の曲線の右裾(リスクが高い側)の一部から下へ向かう点線の曲線と下向きの矢印があり、この矢印に「A」の印が付いている。
- 1ヘルシーメニューのレシピを県のホームページで紹介する。
- 2市内の中学生の保護者に特定健康診査の案内を配布する。
- 3市の広報誌にウォーキングスポットを掲載する。
- 4糖尿病の治療を中断した者に受診を勧奨する。
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✓ これが正解4糖尿病の治療を中断した者に受診を勧奨する。
解説
Aは高リスク者に絞る取り組みで、治療中断者への受診勧奨です。
この図は、集団全体のリスクの分布を示しています。分布全体を左(リスクの低い側)へずらす太い矢印は、集団全体に働きかけて平均的なリスクを下げる取り組み(ポピュレーションアプローチ)を表します。一方、Aは分布の右裾、つまりリスクが特に高い人たちだけを下へ引き下げる矢印で、高リスクの人に対象を絞って働きかける取り組み(ハイリスクアプローチ)を表しています。
肢を見ると、ヘルシーメニューのレシピを県のホームページで紹介することと、ウォーキングスポットを広報誌に載せることは、住民全体に向けた情報提供で、分布全体をずらす側の取り組みです。中学生の保護者に特定健康診査の案内を配布するのも、対象を広く案内するもので、特にリスクが高い人に絞ったものではありません。これに対し、糖尿病の治療を中断した人は、合併症が進むおそれが高い人たちで、その人たちに個別に受診を勧奨することは、右裾の高リスク者に絞った働きかけそのものです。
したがって、Aにあたるのは治療中断者への受診勧奨です。見分け方は、だれに向けた取り組みかを見ることで、全員に向けたものは分布をずらす矢印、リスクの高い人を選んで行うものはAの矢印、と覚えるとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ヘルシーメニューのレシピを県のホームページで紹介する。:県のホームページでのレシピ紹介は、閲覧するだれにでも届く情報提供です。対象を高リスクの人に絞っていないので、分布全体を左へずらす太い矢印の側の取り組みになります。
- 2市内の中学生の保護者に特定健康診査の案内を配布する。:中学生の保護者への健診の案内は、幅広い人に受診を呼びかけるもので、リスクが高いと分かっている人を選んで働きかけるものではありません。図のAが示す右裾の引き下げとは対象の取り方が異なります。
- 3市の広報誌にウォーキングスポットを掲載する。:広報誌でのウォーキングスポットの紹介は、市民全体の運動習慣を後押しする取り組みです。集団全体の分布を低リスク側へ動かす働きかけで、右裾だけを下げるAにはあたりません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問2(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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