第110回 午前 問13
公衆衛生看護活動展開論
ラインによるケアに関する問題
3か月前に他部署から異動してきた新任管理者のA課長から「部下のBさんの様子が気になっています。先月のストレスチェックの結果はどうだったでしょうか」と保健師に連絡があった。ラインによるケアを支援する保健師の対応で最も適切なのはどれか。
- 1「Bさんに保健師と面談するように勧めてください」
- 2「Bさんの職場での様子を詳しく聞かせてください」
- 3「A課長の部署の集団分析結果を説明するので面談に来てください」
- 4「Bさんに私が確認し了解があればストレスチェックの結果を説明します」
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✓ これが正解2「Bさんの職場での様子を詳しく聞かせてください」
解説
ラインによるケアでは、上司から部下の職場での様子を聴きます。
ラインによるケアは、職場の管理監督者が部下の様子の変化に気づき、話を聴き、必要に応じて産業保健スタッフにつなぐという、メンタルヘルス対策の4つのケアの1つです。保健師は、管理監督者がこの役割を果たせるよう支える立場にあります。
A課長は異動してきたばかりの新任管理者で、部下のBさんの様子を気にかけています。ここで保健師が最初に行うのは、課長が気になっている内容、つまりBさんの職場での具体的な様子を詳しく聞き取ることです。そのうえで、課長としてどう声をかけるか、どこにつなぐかを一緒に考えることが、ラインによるケアの支援になります。
ストレスチェックの個人の結果は、労働安全衛生法第66条の10第2項により、本人の同意なく実施者から事業者に提供してはならないとされており、上司が結果を求めること自体に応えるべきではありません。本人の了解があれば説明するという対応も、課長の相談の中身を聞かずに結果の扱いの話へ進めるもので、適切ではありません。面談を勧めてもらう対応や部署の集団分析結果の説明も、Bさんの状況を把握しないまま先へ進めるものです。
ラインによるケアの支援は、まず管理監督者の気づきを丁寧に聞くことから始まる、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「Bさんに保健師と面談するように勧めてください」:Bさんに面談を勧めてもらうことは、後の段階で考える方法です。課長がBさんのどんな様子を気にしているのかを聞かないうちに面談を求めても、必要な支援かどうかを判断できません。
- 3「A課長の部署の集団分析結果を説明するので面談に来てください」:集団分析結果は、部署全体のストレスの傾向をみて職場環境の改善に生かすものです。A課長が相談しているのはBさん個人の様子なので、話の焦点がずれてしまいます。
- 4「Bさんに私が確認し了解があればストレスチェックの結果を説明します」:ストレスチェックの個人の結果は本人の同意なく事業者側に渡せず、上司が見るためのものでもありません。本人に確認して説明するという約束は、課長の相談に応える方法として適切ではありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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