第112回 午後 問5
公衆衛生看護活動展開論
HbA1cに関する問題
A市の糖尿病予防教室では、参加者が記録する食事記録表をもとに保健師が健康教育を実施していた。今回、健康教育の内容を変更し、持続自己血糖測定器を貸し出して測定した血糖値をもとに健康教育を実施した。持続自己血糖測定器の導入で健康教育の費用が10%増加したが、HbA1cの値が改善した者の割合は増えた。健康教育の評価を行うために、HbA1cの値が改善した人数を食事記録の実施群と持続自己血糖測定の実施群で比較する。健康教育の評価で適切なのはどれか。
- 1費用効果分析
- 2費用効用分析
- 3費用便益分析
- 4費用最小化分析
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✓ これが正解1費用効果分析
解説
効果を改善人数で比べるので費用効果分析です。
健康教育や保健事業の経済評価には、効果をどのような単位で表すかによっていくつかの方法があります。効果を人数や検査値の改善などそのままの単位で表し、一定の効果を得るのにかかる費用を比べるのが費用効果分析です。効果を生活の質で重みづけした生存年数で表すのが費用効用分析、効果も金額に換算して費用と比べるのが費用便益分析、効果が同じであることを前提に費用だけを比べるのが費用最小化分析です。
この問いでは、持続自己血糖測定器を使った教育で費用が10%増えた一方、HbA1cが改善した人の割合が増えました。評価に用いる効果は、HbA1cの値が改善した人数という自然な単位であり、2つの教育方法の費用とこの人数を比べることになります。
したがって、適切な評価方法は費用効果分析です。効果の単位が人数や検査値なら費用効果、生活の質を加味した年数なら費用効用、金額なら費用便益、効果が同じなら費用最小化、と単位で見分けると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2費用効用分析:費用効用分析は、効果を生活の質で重みづけした生存年数のような指標で表して比べる方法です。この評価では効果を改善した人数で数えており、生活の質への換算は行っていません。
- 3費用便益分析:費用便益分析は、得られた効果も金額に置き換え、費用と同じお金の単位で比べる方法です。HbA1cが改善した人数を金額に換算する手順は、この評価には含まれていません。
- 4費用最小化分析:費用最小化分析は、2つの方法の効果が同じだとわかっているときに費用だけを比べる方法です。この事例では改善した人の割合が増えており、効果に差があるので当てはまりません。
出典:第112回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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