第111回 午前 問27
疾病の成り立ちと回復の促進
ワクチン接種後の抗体産生
ワクチン接種後の抗体産生について正しいのはどれか。
- 1ワクチン内の抗原を提示するのは好中球である。
- 2抗原に対して最初に産生される抗体はIgAである。
- 3抗原に対して血中濃度が最も高くなる抗体はIgMである。
- 4同じワクチンを2回接種すると抗原に対する抗体の産生量が増加する。
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✓ これが正解4同じワクチンを2回接種すると抗原に対する抗体の産生量が増加する。
解説
同じワクチンを2回接種すると、2回目に抗体の産生量が増えます。
ワクチンは、病原体やその一部を弱めたり無毒化したりしたものを抗原として体に入れ、免疫の仕組みに覚えさせることで、本物の病原体に備えるものです。抗原が体に入ると、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞が抗原を取り込んでT細胞に示し、その助けを受けたB細胞が形質細胞に変わって抗体をつくります。
判断の軸は、初めての接触(一次応答)と2回目以降の接触(二次応答)の違いです。一次応答では、まずIgMが早く作られ、少し遅れてIgGが作られます。このとき、抗原を覚えた記憶細胞が残ります。同じ抗原が再び入ると、記憶細胞がすばやく反応して、より短い時間で、より多くのIgGが作られます。これが二次応答で、ワクチンを複数回接種するのはこの仕組みを利用して抗体を十分に増やすためです。抗原を提示するのは好中球ではなく、最初にできる抗体はIgAではなくIgMで、血液中に最も多い抗体はIgMではなくIgGです。
したがって、同じワクチンの2回目の接種で抗体の産生量が増えるという記述が正しいものです。最初はIgM、多いのはIgG、2回目は早く多く、と3点で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ワクチン内の抗原を提示するのは好中球である。:好中球は、細菌などを取り込んで殺す働きが中心の白血球です。ワクチンの抗原をT細胞に示す抗原提示の役割を主に担うのは、マクロファージや樹状細胞です。
- 2抗原に対して最初に産生される抗体はIgAである。:抗原に初めて接したとき、最初に作られる抗体はIgMです。IgAは唾液や腸の粘液など、粘膜の表面で病原体の侵入を防ぐ働きを主に担う抗体です。
- 3抗原に対して血中濃度が最も高くなる抗体はIgMである。:IgMは初めの段階で早く作られますが、血液中の濃度が最も高くなる抗体はIgGです。IgGは二次応答で大量に作られ、胎盤を通って胎児にも移行します。
出典:第111回 看護師国家試験 午前(厚生労働省)問27(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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