第113回 午後 問79
疾病の成り立ちと回復の促進
もやもや病に関する問題
もやもや病について正しいのはどれか。
- 1脳動静脈の奇形である。
- 2浅側頭動脈の狭窄が原因である。
- 3代償性の側副血行路が形成される。
- 4ポリオウイルスの感染が関与する。
- 5Willis〈ウィリス〉動脈輪への血栓閉塞で生じる。
答えと解説を見る
✓ これが正解3代償性の側副血行路が形成される。
解説
もやもや病では、狭窄した動脈を補う側副血行路が脳底部にできます。
もやもや病は、脳に血液を送る内頸動脈の終わりの部分が、原因がはっきりしないまま少しずつ細くなり、やがて詰まっていく病気です。日本を含む東アジアに多いことが知られ、小児と成人の両方で発症します。
内頸動脈の終わりの部分が細くなると、脳への血流が不足します。それを補うために、脳の底の部分に細い血管が網の目のように発達します。これが代償性の側副血行路で、脳血管撮影でたばこの煙がもやもやと立ちのぼるように見えることから、この病名が付きました。したがって、代償性の側副血行路が形成されるという記述が正しいものです。
小児では、熱い食べ物を冷ますために息を吹きかけたり、泣いたりして過呼吸になると、脳の血流が減って一時的な手足の麻痺などが起こることがあります。成人では、もろい側副血行路が破れて脳出血を起こすこともあります。
ほかの肢は、別の血管の病気や、治療で使う血管、関係のない感染症を挙げたものです。覚え方は、細くなった動脈の代わりにできた細い血管がもやもやに見える、と病名の由来と結びつけることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1脳動静脈の奇形である。:脳動静脈奇形は、動脈と静脈が毛細血管を経ずに直接つながった生まれつきの血管の異常です。内頸動脈の終わりが少しずつ細くなるもやもや病とは別の病気です。
- 2浅側頭動脈の狭窄が原因である。:浅側頭動脈は頭皮を走る動脈で、もやもや病の治療で脳の血管とつなぐバイパス手術に使われます。この動脈が細くなることが病気の原因なのではありません。
- 4ポリオウイルスの感染が関与する。:ポリオウイルスは急性灰白髄炎の原因で、脊髄の運動神経を障害して手足の麻痺を起こします。脳の血管が細くなるもやもや病の原因として関与するものではありません。
- 5Willis〈ウィリス〉動脈輪への血栓閉塞で生じる。:もやもや病の血管の変化は、血の塊が詰まって起こるのではなく、内頸動脈の終わりの部分の壁が厚くなって少しずつ細くなるものです。血栓による閉塞とは仕組みが違います。
出典:第113回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問79(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)