第114回 午後 問55
老年看護学
不慮の事故に関する問題
日本の令和3年(2021年)の人口動態統計に基づく、65歳以上85歳未満における不慮の事故による死亡状況をグラフに示す。Dはどれか。
不慮の事故の種類別死亡数の棒グラフ(原典は図。縦軸は人数(人)、年齢階級ごとにA〜Dの4本の棒。棒の高さを目盛りから読んだ概数を書き写した):
- 65〜69歳:A 約250、B 約320、C 約280、D 約430
- 70〜74歳:A 約420、B 約710、C 約520、D 約870
- 75〜79歳:A 約440、B 約930、C 約870、D 約1,240
- 80〜84歳:A 約500、B 約1,280、C 約1,490、D 約1,550
- 1窒息
- 2交通事故
- 3溺死及び溺水
- 4転倒、転落、墜落
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✓ これが正解3溺死及び溺水
解説
高齢者の不慮の事故死で最も多いDは溺死及び溺水です。
不慮の事故による死亡は、年齢によって多い種類が変わります。高齢者では、窒息、転倒・転落・墜落、溺死及び溺水が多く、交通事故は相対的に少なくなります。この問は、設問が指定する令和3年(2021年)の人口動態統計で、65歳以上85歳未満の年齢階級ごとの死亡数のグラフから、Dの棒にあたる事故の種類を読み取る問題です。
書き写されたグラフでは、Dは65〜69歳から80〜84歳までのすべての年齢階級で4本の中で最も多く、Aはどの年齢階級でも最も少なく、年齢が上がってもあまり増えていません。高齢者の溺死及び溺水の多くは、家庭の浴槽での入浴中に起こります。冬に暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移り、熱い湯につかることで血圧が大きく変動し、意識を失って溺れることが原因の一つと考えられています。このため65歳以上85歳未満では、溺死及び溺水が不慮の事故による死亡の中で最も多くなっています。交通事故は最も少ないAにあたり、窒息と転倒・転落・墜落は年齢とともに大きく増えるBまたはCにあたります。
したがって溺死及び溺水が正解です。高齢者の溺死の多くは浴槽で起こる、と冬の入浴の注意と結びつけて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1窒息:食べ物を喉に詰まらせる事故などの窒息は、年齢が上がるにつれて大きく増えていく種類です。どの年齢階級でもはじめから最も多いDの棒の形とは合いません。
- 2交通事故:高齢者の交通事故による死亡は、ほかの3つの種類と比べて少なく、年齢が上がってもあまり増えません。棒の高さでいえば一番低いものにあたり、Dではありません。
- 4転倒、転落、墜落:転倒・転落・墜落は、筋力やバランスの衰えに伴って、年齢が高くなるほど急に増えていきます。65歳の階級から一貫して最多のDとは、増え方の傾向が違います。
出典:第114回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問55(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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