第58回 午後 問72
運動学
安静呼吸における吸気時で正しいのはどれか。
- 1横隔膜は上昇する。
- 2外肋間筋は弛緩する。
- 3胸腔内は陽圧になる。
- 4腹横筋が主に収縮する。
- 5上部胸郭は前上方へ拡張する。
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✓ これが正解5上部胸郭は前上方へ拡張する。
解説
安静吸気では、上部胸郭が前上方へ広がります。
この問は、安静な呼吸で息を吸うとき、どの筋が働き、胸郭と胸腔の中の圧がどう変わるかで判断します。
安静な吸気では、主に横隔膜と外肋間筋が働きます。外肋間筋が収縮すると肋骨が持ち上がり、上部の胸郭は前上方へ、ポンプの柄を引き上げるように広がります。下部の胸郭は横へ、バケツの取っ手を持ち上げるように広がります。上部胸郭が前上方へ拡張するという記述は正しいです。
残りの記述は、横隔膜の動く向き、外肋間筋の状態、胸腔内の圧、働く筋のどれかを呼気や努力呼吸の場面と取り違えています。吸気で横隔膜は縮んで平らになり、胸腔内の陰圧が強まって空気が肺へ流れ込みます。腹横筋は強く息を吐くときや咳のときに働く筋です。上部はポンプの柄、下部はバケツの取っ手、という胸郭の広がり方のたとえと合わせて覚えておくと、図の問にも対応できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1横隔膜は上昇する。:横隔膜は収縮するとドーム状の頂点が下がって平らになり、胸腔が上下に広がります。吸気で上昇するのではなく下降します。
- 2外肋間筋は弛緩する。:外肋間筋は吸気で収縮し、肋骨を持ち上げて胸郭を広げる主な筋です。弛緩するのは安静な呼気のときです。
- 3胸腔内は陽圧になる。:吸気では胸腔が広がり、もともと大気より低い胸腔内圧がさらに下がります。陽圧になるのは、強く息を吐いたり力んだりしたときです。
- 4腹横筋が主に収縮する。:腹横筋は腹圧を高めて横隔膜を押し上げる筋で、強い呼気や咳のときに働きます。安静な吸気で主に収縮するのは横隔膜と外肋間筋です。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問72(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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