第61回 午前 問38
臨床医学
腕神経叢損傷の病態で適切なの
腕神経叢損傷の病態で適切なのはどれか。
- 1深部腱反射は亢進することが多い。
- 2すべての症例で自然回復が期待できる。
- 3下位腕神経叢損傷では、肘屈曲が障害される。
- 4上位腕神経叢損傷では、手指の巧緻運動が障害される。
- 5完全型腕神経叢損傷では、近位から遠位までの運動障害がみられる。
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✓ これが正解5完全型腕神経叢損傷では、近位から遠位までの運動障害がみられる。
解説
完全型では近位から遠位まで上肢全体の運動が障害されます。
腕神経叢は、第5頸神経から第1胸神経までの神経がつながって、上肢全体を支配する神経の束です。損傷された部分によって障害の出方が異なり、上の方の神経(C5・C6)が傷つく上位型、下の方(C8・T1)が傷つく下位型、すべてが傷つく完全型に分けられます。
完全型では、上肢を支配する神経がすべて障害されるため、肩の動きから肘、手首、手指まで、近位から遠位にわたる運動障害が起こります。これが最も素直に当てはまる記述です。上位型では肩の外転や肘の屈曲が、下位型では手指の細かい動きが主に障害されます。末梢神経の損傷なので、深部腱反射は弱くなるか消えるのがふつうです。ほかの肢は、反射の変化、回復の見込み、上位型と下位型の症状を取り違えています。
したがって、完全型腕神経叢損傷では近位から遠位までの運動障害がみられる、という記述が適切です。上位型は肩と肘、下位型は手、完全型は上肢全体、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1深部腱反射は亢進することが多い。:腕神経叢損傷は脊髄の外側の末梢神経の損傷なので、反射の経路が途切れ、深部腱反射は弱くなるか消えるのがふつうです。亢進するのは脊髄や脳の損傷の場合です。
- 2すべての症例で自然回復が期待できる。:神経の根元が脊髄から引き抜かれる損傷などでは、自然に回復することは期待できません。すべての症例で自然回復するとはいえず、手術が検討されることもあります。
- 3下位腕神経叢損傷では、肘屈曲が障害される。:下位腕神経叢損傷はC8・T1の障害で、主に手指の細かい動きや手の内在筋が障害されます。肘を曲げる動きは主にC5・C6が担うので、上位型で障害されます。
- 4上位腕神経叢損傷では、手指の巧緻運動が障害される。:上位腕神経叢損傷はC5・C6の障害で、肩を上げる動きや肘を曲げる動きが障害されます。手指の巧緻運動が主に障害されるのは、下位型の特徴です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問38(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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