第61回 午後 問77
臨床医学
がんの骨転移による症候でないのはどれか。
- 1振戦
- 2疼痛
- 3脊髄圧迫
- 4病的骨折
- 5高カルシウム血症
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✓ これが正解1振戦
解説
振戦はがんの骨転移による症候ではありません。
がんの骨転移では、骨が壊されたり、周囲の構造が圧迫されたりすることで、さまざまな症候(骨関連事象)が起こります。判断の軸は、骨が壊されることから直接説明できる症状かどうかです。
骨に転移したがんは、骨の痛み、骨がもろくなって軽い力で折れる病的骨折、脊椎に転移した場合の脊髄圧迫による麻痺や排尿・排便障害、骨から大量のカルシウムが溶け出して起こる高カルシウム血症などを引き起こします。これらは骨転移の代表的な症候で、理学療法では骨折や麻痺の危険を見ながら動作の方法を決めることが大切です。
一方、振戦は手指などが意思と関係なく規則的に震える不随意運動で、Parkinson病や本態性振戦、甲状腺機能亢進症などで見られます。骨が壊されることから生じる症状ではないため、がんの骨転移による症候ではありません。よって正解は振戦です。骨転移の4大症候は、痛み・骨折・脊髄圧迫・高カルシウム血症、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2疼痛:がんが骨を壊すと骨膜や周囲の神経が刺激され、持続する痛みが生じます。疼痛は骨転移で最も多い症状の一つです。
- 3脊髄圧迫:脊椎に転移したがんが椎体をつぶしたり腫瘍が広がったりすると、脊髄が圧迫されて四肢の麻痺や膀胱直腸障害が起こります。骨転移による重大な症候です。
- 4病的骨折:がんで骨がもろくなると、寝返りなどのわずかな力でも骨が折れることがあり、これを病的骨折といいます。骨転移の代表的な症候です。
- 5高カルシウム血症:がんによって骨が溶かされると、骨のカルシウムが血液中に大量に出てきて高カルシウム血症になり、意識障害や脱水などを招きます。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問77(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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