第61回 午後 問89
臨床医学
骨折後に偽関節を生じやすいの
骨折後に偽関節を生じやすいのはどれか。
- 1鎖骨遠位部
- 2手の舟状骨
- 3橈骨遠位部
- 4中手骨骨幹部
- 5上腕骨骨幹部
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✓ これが正解2手の舟状骨
解説
手の舟状骨は血流が乏しく骨折後に偽関節になりやすい骨です。
偽関節は、骨折した骨がつながらないまま、骨折部が関節のように動く状態です。判断の軸は、骨折部への血流が乏しいか、骨折部が安定しにくいかという、骨がつながりにくくなる条件です。
手の舟状骨は手根骨の一つで、栄養する血管が骨の遠位側から入っていくため、腰の部分(中央)で骨折すると近位側の骨片への血流が途絶えやすくなります。さらに、手関節の動きで骨折部に力がかかり続け、転倒して手をついたときの骨折なのに捻挫と思われて見逃されることも多いため、偽関節や骨壊死を起こしやすい骨の代表です。よって正解は手の舟状骨です。
鎖骨遠位部の骨折は、靱帯の損傷を伴う型などで偽関節が問題になることもありますが、舟状骨ほど代表的ではありません。橈骨遠位部の骨折は高齢者に多い骨折ですが、海綿骨が多く血流も豊かなため、偽関節はまれです。中手骨骨幹部の骨折は多くの場合よく癒合します。上腕骨骨幹部の骨折も偽関節を起こすことがありますが、多くは保存療法でも癒合します。偽関節の代表は舟状骨、大腿骨頸部、脛骨の中下3分の1、とまとめて覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1鎖骨遠位部:鎖骨の外側端の骨折は、靱帯の損傷の程度によって骨癒合が遅れることがありますが、偽関節を起こしやすい代表的な部位として挙げられるのは舟状骨です。
- 3橈骨遠位部:橈骨の手首側の骨折は高齢者が転んで手をついたときに多い骨折ですが、血流が豊かな部位なので骨はつながりやすく、偽関節はまれです。
- 4中手骨骨幹部:中手骨の骨幹部の骨折は、整復と固定を適切に行えば多くの場合しっかり癒合します。偽関節を起こしやすい部位とはいえません。
- 5上腕骨骨幹部:上腕骨の骨幹部の骨折では、橈骨神経麻痺の合併が問題になります。偽関節が起こることもありますが、多くは保存療法で骨がつながります。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問89(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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