暗号技術
この単元には 38問あります。くり返し出ているものから並べています。
鍵の使い分けで、秘匿・改ざん検知・作成者の証明を分けて捉える
暗号技術が担うのは、中身を読めなくすること、変わっていないと確かめること、誰が作ったかを示すことの三つです。目的ごとに使う鍵が入れ替わる点を押さえると見通せます。
共通鍵暗号方式は暗号化と復号に同じ鍵を使います。代表がAESで、一定の長さに区切って処理するブロック暗号です。処理が速く大きなデータに向く一方、鍵を安全に渡す手立てが要り、相手の数だけ鍵が増えます。
公開鍵暗号方式は対になる二つの鍵を使い、片方を公開してももう片方を割り出せないという性質に支えられます。RSAは大きな数の素因数分解の困難さを拠りどころとし、楕円曲線暗号は短い鍵長で同水準の安全性を得ます。中身を秘密にして送るときは、相手の公開鍵で暗号化し、本人が自分の秘密鍵で元に戻します。
両方の長所を合わせたのがハイブリッド暗号方式で、本文は共通鍵暗号で暗号化し、その共通鍵を相手の公開鍵で暗号化して一緒に送ります。S/MIMEやOpenPGP、TLSやIPsecもこの形です。
改ざんの確認にはハッシュ関数を使います。入力から決まった長さの値を求め、少しでも違う入力からは別の値が出ます。計算は一方向で、値から元を復元するのは困難です。この値がメッセージダイジェストです。メッセージと共有の秘密鍵から計算して付ける短い値がメッセージ認証符号で、改ざんの検知に加えて相手の確認にも使えます。
デジタル署名は鍵の使い方が秘匿と裏返しです。作成には本人しか持たない秘密鍵、検証には公開されている鍵を使い、署名鍵・検証鍵とも呼ばれます。受け取った誰もが作成者を確かめられ、改ざんとなりすましを退けられます。文書の一部に署名できるXML署名や、ハッシュ値に第三者が時刻を結び付けるタイムスタンプも、この延長です。
暗号は永久に安全ではありません。計算機の性能向上や新しい解読手口で安全性が目減りする現象が危殆化で、CRYPTREC暗号リストのような評価と強い方式への切替えが要ります。存在自体を隠すステガノグラフィは、読めなくする暗号とは狙いが異なります。
この単元で出た問題
- メッセージが改ざんされていないかどうかを確認するために,そのメッセージから,ブロック暗号を用いて生成することができるものはどれか。3回出題
- A社のWebサーバは,サーバ証明書を使ってTLS通信を行っている。PCからA社のWebサーバへのTLSを用いたアクセスにおいて,当該PCがサーバ証明書を入手した後に,認証局の公開鍵を利用して行う動作はどれか。2回出題
- OpenPGPやS/MIMEにおいて用いられるハイブリッド暗号方式の特徴はどれか。2回出題
- PCとサーバとの間でIPsecによる暗号化通信を行う。通信データの暗号化アルゴリズムとしてAESを使うとき,用いるべき鍵はどれか。2回出題
- セキュアハッシュ関数SHA-256を用いてファイルA及びファイルBのハッシュ値を算出すると,どちらも全く同じ次に示すハッシュ値n(16進数で示すと64桁)となった。この結果から考えられることとして,適切なものはどれか。ハッシュ値n:86620f2f 152524d7 dbed4bcb b8119bb6 d493f734 0b4e7661 88565353 9e6d20742回出題
- データベースで管理されるデータの暗号化に用いることができ,かつ,暗号化と復号とで同じ鍵を使用する暗号方式はどれか。2回出題
- AさんがBさんの公開鍵で暗号化した電子メールを,BさんとCさんに送信した結果のうち,適切なものはどれか。ここで,Aさん,Bさん,Cさんのそれぞれの公開鍵は3人全員がもち,それぞれの秘密鍵は本人だけがもっているものとする。
- XML署名を利用することによってできることはどれか。
- なりすましメールでなく,EC(電子商取引)サイトから届いたものであることを確認できる電子メールはどれか。
- アプリケーションソフトウェアにディジタル署名を施す目的はどれか。
- インターネットバンキングでのMITB攻撃による不正送金について,対策として用いられるトランザクション署名の説明はどれか。
- ステガノグラフィはどれか。
- ステガノグラフィはどれか。
- ディジタル署名などに用いるハッシュ関数の特徴はどれか。
- ディジタル署名における署名鍵の使い方と,ディジタル署名を行う目的のうち,適切なものはどれか。
- ディジタル署名に用いる鍵の組みのうち,適切なものはどれか。
- ディジタル署名に用いる鍵の組みのうち,適切なものはどれか。
- ディジタル証明書をもつA氏が,B商店に対して電子メールを使って商品を注文するときに,A氏は自分の秘密鍵を用いてディジタル署名を行い,B商店はA氏の公開鍵を用いて署名を確認する。この手法によって実現できることはどれか。ここで,A氏の秘密鍵はA氏だけが使用できるものとする。
- デジタル署名に用いる鍵の組みのうち,適切なものはどれか。
- パスワードを用いて利用者を認証する方法のうち,適切なものはどれか。
- メッセージ認証符号の利用目的に該当するものはどれか。
- 伝達したいメッセージを画像データなどのコンテンツに埋め込み,埋め込んだメッセージの存在を秘匿する技術はどれか。
- 公開鍵暗号方式を用いて,図のようにAさんからBさんへ,他人に秘密にしておきたい文章を送るとき,暗号化に用いる鍵Kとして,適切なものはどれか。
- 情報セキュリティにおけるタイムスタンプサービスの説明はどれか。
- 手順に示す電子メールの送受信によって得られるセキュリティ上の効果はどれか。
- 暗号の危殆化に該当するものはどれか。
- 暗号アルゴリズムの危殆化を説明したものはどれか。
- 暗号方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 暗号方式に関する説明のうち,適切なものはどれか。
- 楕円曲線暗号の特徴はどれか。
- 送信者Aが文書ファイルと,その文書ファイルのディジタル署名を受信者Bに送信したとき,受信者Bができることはどれか。ここで,受信者Bは送信者Aの署名検証鍵Xを保有しており,受信者Bと第三者は送信者Aの署名生成鍵Yを知らないものとする。
- 非常に大きな数の素因数分解が困難なことを利用した公開鍵暗号方式はどれか。
正解と解説は演習画面で、解答したあとに表示されます。
年度から解く
この単元の問題は 11年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和6年度です。年度から選ぶと、回ごとにまとめて解けます。