第36回 問題25
社会福祉の原理と政策
次の記述のうち,ブラッドショー(Bradshaw, J.)のニード類型を踏まえたニードの説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1クライエントがニードを表明しなければ,ニードのアセスメントを行うことはできない。
- 2社会規範に照らしてニードの有無が判断されることはない。
- 3クライエントと専門職との間で,ニードの有無の判断が食い違うことはない。
- 4他人と比較してニードの有無が判断されることはない。
- 5クライエントがニードを自覚しなければ,クライエントからのニードは表明されない。
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✓ これが正解5クライエントがニードを自覚しなければ,クライエントからのニードは表明されない。
解説
ニードを自覚しなければ、クライエントからニードは表明されません。
ブラッドショーは、ニードを、だれがどのような基準で判断するかによって4つに分けました。専門家や行政が社会の規範や基準に照らして判断する規範的ニード、本人が必要だと感じている感得されたニード(フェルト・ニード)、本人が実際に言葉や行動で示した表明されたニード、他の人や他の地域と比べて判断される比較ニードです。
この類型では、感じることと表明することが段階として区別されています。本人が必要だと自覚して初めて、それを周りに伝えることができるので、自覚されていないニードが本人の側から表明されることはありません。したがって、クライエントがニードを自覚しなければ、クライエントからのニードは表明されないという記述が最も適切です。
一方、本人が表明しなくても、専門職は規範や比較に照らしてニードを見いだすことができます。そのため、表明がなければアセスメントができないわけではなく、規範に照らした判断や、他人との比較による判断も行われます。本人と専門職の判断が食い違うこともあり、ソーシャルワークではその食い違いを丁寧に扱うことが大切になります。
覚え方は、規範的・感得された・表明された・比較の4つを、だれが何を基準に判断するかと結びつけて押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1クライエントがニードを表明しなければ,ニードのアセスメントを行うことはできない。:本人が口に出さない場合でも、支援者は基準や他者との違いからニードをつかみ、評価を進められます。訴えのない人に手を伸ばすアウトリーチも、この考えに立っています。
- 2社会規範に照らしてニードの有無が判断されることはない。:専門家や行政が、社会の規範や望ましい基準に照らしてニードの有無を判断するのが規範的ニードです。規範に照らした判断がないという説明は、この類型と合いません。
- 3クライエントと専門職との間で,ニードの有無の判断が食い違うことはない。:本人が感じるニードと、専門職が規範に照らして判断するニードは別のものとして扱われるため、両者が食い違うことは十分に起こります。食い違わないという説明は誤りです。
- 4他人と比較してニードの有無が判断されることはない。:他の人や他の地域と比べて、同じ状況なのにサービスを受けていない場合などにニードがあると判断するのが比較ニードです。他人との比較による判断は類型の一つです。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題25。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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