第36回 問題45
地域福祉と包括的支援体制
「令和5年版地方財政白書(令和3年度決算)」(総務省)に示された民生費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1歳出純計決算額は,前年度に比べて減少した。
- 2目的別歳出の割合は,都道府県では社会福祉費よりも災害救助費の方が高い。
- 3目的別歳出の割合は,市町村では児童福祉費よりも老人福祉費の方が高い。
- 4性質別歳出の割合は,都道府県では繰出金よりも人件費の方が高い。
- 5性質別歳出の割合は,市町村では補助費等よりも扶助費の方が高い。
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✓ これが正解5性質別歳出の割合は,市町村では補助費等よりも扶助費の方が高い。
解説
市町村の民生費は、性質別で扶助費の割合が補助費等より高くなっています。
統計の問なので、出題当時の令和5年版地方財政白書(令和3年度決算)の内容で説明します。軸は二つです。一つは民生費の分け方で、何のために使ったかで分ける目的別(社会福祉費、老人福祉費、児童福祉費、生活保護費、災害救助費)と、どういう種類の経費かで分ける性質別(人件費、扶助費、補助費等、繰出金など)があります。もう一つは都道府県と市町村の役割の違いです。
市町村は、児童福祉や生活保護、障害者福祉などで、住民に現金や現物を直接届ける給付を多く担っています。そのため性質別に見ると、こうした給付に当たる扶助費の割合が大きくなり、団体への補助や負担金に当たる補助費等を上回ります。これに対して都道府県は、市町村や他の団体への負担金や補助を通じて福祉を支える役割が中心なので、性質別では補助費等の割合が大きくなるのが特徴です。
覚え方として、市町村は住民へ直接給付するので扶助費、都道府県は市町村などを支えるので補助費等、と役割から考えると数字を丸暗記しなくても判断できます。目的別では、市町村は児童福祉費、都道府県は老人福祉費の比重が大きい点もあわせて押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1歳出純計決算額は,前年度に比べて減少した。:白書では、令和3年度の民生費の歳出純計決算額は前年度より増えています。減少したとする記述は、白書が示した増減の向きと逆になっています。
- 2目的別歳出の割合は,都道府県では社会福祉費よりも災害救助費の方が高い。:都道府県の民生費の目的別内訳で、災害救助費は大きな災害が起きた年などを除けばごく小さな割合です。社会福祉費のほうが高く、記述は大小が逆になっています。
- 3目的別歳出の割合は,市町村では児童福祉費よりも老人福祉費の方が高い。:市町村の民生費では、保育所の運営などを含む児童福祉費が目的別で最も大きな割合を占めます。老人福祉費のほうが高いという記述は白書の結果と合いません。
- 4性質別歳出の割合は,都道府県では繰出金よりも人件費の方が高い。:都道府県の民生費の性質別では補助費等が大半を占め、人件費の割合は小さく、繰出金を下回ります。人件費のほうが高いという記述は誤りです。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題45。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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