第36回 問題94
ソーシャルワークの基盤と専門職
障害者の自立生活運動に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1当事者が人の手を借りずに,可能な限り自分のことは自分ですることを提起している。
- 2ピアカウンセリングを重視している。
- 3施設において,管理的な保護のもとでの生活ができることを支持している。
- 4当事者の自己決定権の行使を提起している。
- 5危険に挑む選択に対して,指導し,抑止することを重視している。
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✓ これが正解2ピアカウンセリングを重視している。
✓ これが正解4当事者の自己決定権の行使を提起している。
解説
自立生活運動はピアカウンセリングと当事者の自己決定権を重視しました。
この問は、1960年代末から1970年代にアメリカで広がった障害者の自立生活運動(IL運動)の考え方で判断します。2つ選ぶ問です。この運動は、カリフォルニア州バークレーなどで、重い障害のある当事者たちが自立生活センターをつくったことで広がりました。従来の自立観は、身の回りのことを自分でできるようになる身辺自立や、働いて稼ぐ経済的自立を重視していましたが、自立生活運動は、介助を受けていても、自分の生活を自分で選び決めることこそが自立だと主張しました。
そのため、当事者の自己決定権の行使を提起したことが、運動の中心的な主張です。また、同じ障害のある仲間同士が対等な立場で経験を分かち合い、支え合うピアカウンセリングを重視したことも大きな特徴です。専門職が一方的に指導するのではなく、当事者同士の支え合いと当事者主体のサービスを大切にしました。
ほかの記述は、介助を受けずに何でも自分でする自立観、施設での管理的な保護、危険を伴う選択の抑止といった、運動が批判した側の考え方です。覚え方は、自立生活運動の自立は自己決定の自立であり、施設から地域へ、専門職主導から当事者主体へ、という方向を示した運動だと押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1当事者が人の手を借りずに,可能な限り自分のことは自分ですることを提起している。:人の手を借りずに自分のことは自分でするという身辺自立の考え方は、運動が見直しを求めた従来の自立観です。運動は、介助を受けながらでも自分で選び決めることを自立としました。
- 3施設において,管理的な保護のもとでの生活ができることを支持している。:施設での管理的な保護のもとの生活は、自立生活運動が批判したものです。運動は施設を出て地域で暮らすことや、自分の生活を自分で管理することを求めました。
- 5危険に挑む選択に対して,指導し,抑止することを重視している。:自立生活運動は、危険を伴う選択であっても本人が選ぶ権利、いわゆる危険を冒す尊厳を尊重しました。専門職が指導して選択を抑止することを重視したのではありません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題94。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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