第36回 問題120
福祉サービスの組織と経営
経営の基礎理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1バーナード(Barnard, C.)によれば,非公式組織とは,意識的で,計画的で,目的をもつような人々相互間の協働である。
- 2テイラー(Taylor, F.)は科学的管理法を提唱し,作業現場の管理について,合理的な規則と手続きによる管理の重要性を強調した。
- 3ハインリッヒ(Heinrich, H.)は,軽微な事故への対策を実施しても,重大な事故を未然に防ぐことはできないことを明らかにした。
- 4アッシュ(Asch, S.)は,個人として正しい判断ができていれば,多数派の力には負けることはないという現象を明らかにした。
- 5メイヨー(Mayo, G.)とレスリスバーガー(Roethlisberger, F.)は,組織における経済的合理性を追求する,経済人モデルを提唱した。
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✓ これが正解2テイラー(Taylor, F.)は科学的管理法を提唱し,作業現場の管理について,合理的な規則と手続きによる管理の重要性を強調した。
解説
テイラーの科学的管理法は合理的な規則と手続きによる管理を説きました。
経営の基礎理論の問は、理論家とその主張の組み合わせが合っているかで判断します。
テイラーは、20世紀初めに科学的管理法を提唱した人物です。それまで経験や勘に頼っていた作業現場の管理に対して、作業を時間や動作の観点から分析して標準的な作業量(課業)を定め、合理的な規則と手続きによって管理することの重要性を強調しました。したがって、テイラーが科学的管理法を提唱し、合理的な規則と手続きによる管理の重要性を強調したという記述が最も適切です。
ほかの理論家も整理しておきます。バーナードは、組織を意識的に調整された人々の協働の体系としてとらえ、目的をもって計画的に協働する公式組織と、自然に生まれる人間関係である非公式組織を区別しました。ハインリッヒは、1件の重大な事故の背後に多数の軽微な事故や、事故に至らなかった異常があるという法則を示し、軽微な段階で対策をとることが重大な事故の予防につながると考えました。アッシュは、明らかに正しい答えがあっても多数派の誤った判断に合わせてしまう同調の現象を実験で示しました。メイヨーとレスリスバーガーは、ホーソン実験から、職場の人間関係や感情が生産性に影響することを見いだし、人間関係論につなげました。
理論家の問では、テイラーは合理性と管理、メイヨーらは人間関係、と対になる考え方で覚えておくと取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1バーナード(Barnard, C.)によ…:意識的で計画的、目的をもつ人々の協働という説明は、バーナードのいう公式組織の特徴です。非公式組織は、組織の中で自然に生まれる個人的な接触や人間関係を指します。
- 3ハインリッヒ(Heinrich, H.)…:ハインリッヒは、重大な事故の背後に多数の軽微な事故やヒヤリとした異常があると示しました。軽微な段階での対策が重大事故の予防につながるという考えで、記述とは逆です。
- 4アッシュ(Asch, S.)は,個人とし…:アッシュの実験は、正しい判断ができる人でも、多数派が誤った答えを示すと同調してしまう現象を明らかにしたものです。多数派の力に負けないという結論ではありません。
- 5メイヨー(Mayo, G.)とレスリスバ…:メイヨーとレスリスバーガーは、ホーソン実験から職場の人間関係や感情が生産性を左右することを示し、人間関係論の基礎を築きました。経済人モデルとは対照的な立場です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題120。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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