第37回 問題17
社会学と社会システム
差別や偏見に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1ゴッフマン(Goffman, E.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。
- 2オルポート(Allport, G.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。
- 3リップマン(Lippmann, W.)は,人々の知覚や認識を単純化して理解することをダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。
- 4コールマン(Coleman, J.)は,政治・経済・軍事などの分野のトップが社会の権力を握るとするパワーエリート論を展開した。
- 5ミルズ(Mills, C.)は,一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて,逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明した。
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✓ これが正解1ゴッフマン(Goffman, E.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。
✓ これが正解2オルポート(Allport, G.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。
解説
スティグマはゴッフマン、偏見の定義はオルポートの説明が適切です。
2つ選ぶ問です。差別や偏見に関わる概念と、それを示した研究者の組み合わせで判断します。
ゴッフマンは、その人に付随し、他者からの信用を失わせるような印をスティグマと呼びました。もとは身体に刻まれた印を指す言葉で、ゴッフマンは、身体上の特徴に加えて性格上の特徴や集団に関わる属性なども含め、それが他者の偏見を呼び起こし、その人を劣った存在とみなさせる働きを論じました。オルポートは、著書の中で、民族的偏見を、誤った、柔軟性のない一般化に基づいた反感と定義しました。この2つの記述が適切です。
ほかの記述は、概念と研究者の組み合わせが違います。物事を単純化された固定的なイメージで捉えることを、リップマンはステレオタイプと呼びました。ダブル・コンティンジェンシーはパーソンズらが論じた概念です。パワーエリート論を展開したのはミルズで、一次的逸脱と二次的逸脱の概念を用いたのはラベリング論のレマートです。
スティグマはゴッフマン、ステレオタイプはリップマン、パワーエリートはミルズ、二次的逸脱はレマート、と人物と鍵となる語を対で覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 3リップマン(Lippmann, W.)は…:リップマンは、人々が複雑な現実を単純化された固定的な像で捉えることをステレオタイプと呼びました。ダブル・コンティンジェンシーは、互いの行為が相手の出方に左右し合う状況を指す別の概念です。
- 4コールマン(Coleman, J.)は,…:政治・経済・軍事のトップが権力を握るとするパワーエリート論を展開したのはミルズです。コールマンは、人々のつながりが生み出す社会関係資本の研究で知られています。
- 5ミルズ(Mills, C.)は,一次的逸…:一次的逸脱と二次的逸脱という概念で、逸脱者というレッテルが逸脱的アイデンティティを生むしくみを説明したのは、ラベリング論の論者であるレマートです。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題17。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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