第37回 問題19
社会福祉の原理と政策
次の人物のうち,英国において「福祉国家」から「小さな政府」への転換を図った首相として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ウィンストン・チャーチル(Churchill, W.)
- 2クレメント・アトリー(Attlee, C.)
- 3マーガレット・サッチャー(Thatcher, M.)
- 4トニー・ブレア(Blair, T.)
- 5ゴードン・ブラウン(Brown, G.)
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✓ これが正解3マーガレット・サッチャー(Thatcher, M.)
解説
福祉国家から小さな政府への転換を図った首相は、サッチャーです。
第二次世界大戦後のイギリスは、ベヴァリッジ報告を土台に、国民の生活を国が広く保障する福祉国家の体制を整えました。しかし1970年代の経済の停滞の中で、福祉国家の財政負担の大きさが問題とされるようになりました。この問は、その流れの中で小さな政府への転換を進めた首相は誰かで判断します。
マーガレット・サッチャーは、1979年に保守党政権の首相となり、国有企業の民営化、規制緩和、社会保障支出の抑制、市場原理の重視などを進めました。政府の役割を縮め、市場と個人の自助に委ねる方向へ転換を図ったことから、福祉国家から小さな政府への転換を図った首相として最も適切です。
ほかの人物も確認します。チャーチルは第二次世界大戦期の首相で、ベヴァリッジ報告はこの時期に出されました。アトリーは戦後の労働党政権の首相として、国民保健サービス(NHS)の創設など福祉国家の基盤を築きました。ブレアは市場と福祉の両立をめざす第三の道を掲げた労働党の首相で、ブラウンはその後を継いだ首相です。
アトリーが福祉国家を築き、サッチャーが小さな政府へ転換し、ブレアが第三の道を掲げた、と流れで覚えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ウィンストン・チャーチル(Churchill, W.):チャーチルは第二次世界大戦中に首相を務めた人物で、戦後の社会保障の設計図となったベヴァリッジ報告はこの時期に出されました。小さな政府への転換を図った首相ではありません。
- 2クレメント・アトリー(Attlee, C.):労働党のアトリー政権は、戦後にNHSを発足させるなど、福祉国家をつくり上げる役割を果たしました。福祉国家を縮小する方向に舵を切った首相とは逆の立場です。
- 4トニー・ブレア(Blair, T.):ブレアは、サッチャー以降の市場重視と従来型の福祉国家のどちらとも異なる、第三の道を掲げた労働党の首相です。小さな政府への転換を図った首相ではありません。
- 5ゴードン・ブラウン(Brown, G.):ブラウンはブレアの後を継いだ労働党の首相で、ブレア政権では財務大臣を務めました。福祉国家から小さな政府への転換を進めた首相ではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題19。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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