第37回 問題50
地域福祉と包括的支援体制
災害時の支援に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1被災者生活再建支援制度の対象とする自然災害は,市町村において1000世帯以上の住宅全壊被害が発生した場合である。
- 2介護保険制度では,全ての介護サービス事業者に対して,業務継続計画(BCP)の策定とその計画に従って必要な措置を講ずることが定められている。
- 3災害救助法では,災害ボランティアセンターの設置を市町村社会福祉協議会に義務づけている。
- 4厚生労働省の「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」では,災害派遣福祉チーム(DWAT)の一般避難所への派遣について明記している。
- 5内閣府の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」では,指定福祉避難所は受入対象となる者をあらかじめ特定してはならないと定めている。(注)1 BCPとは,Business Continuity Plan のことである。2 DWATとは,Disaster Welfare Assistance Team のことである。
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✓ これが正解2介護保険制度では,全ての介護サービス事業者に対して,業務継続計画(BCP)の策定とその計画に従って必要な措置を講ずることが定められている。
✓ これが正解4厚生労働省の「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」では,災害派遣福祉チーム(DWAT)の一般避難所への派遣について明記している。
解説
介護事業者へのBCP策定の義務とDWATの一般避難所への派遣が適切です。
2つ選ぶ問です。災害時の支援は、被災者生活再建支援法、災害救助法、介護保険制度の運営基準、厚生労働省や内閣府のガイドラインなど、根拠の違う仕組みが組み合わさっています。どの仕組みが何を定めているかを切り分けて判断します。
適切な一つ目は、介護保険制度で全ての介護サービス事業者に業務継続計画(BCP)の策定と、計画に従った必要な措置を求めているという記述です。2021年度の介護報酬改定で各サービスの運営基準に加えられ、経過措置の期間を経て2024年4月から義務となりました。感染症や災害が起きてもサービスを止めずに続けるための備えです。
適切な二つ目は、厚生労働省の災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドラインが、災害派遣福祉チーム(DWAT)の一般避難所への派遣を明記しているという記述です。DWATは介護福祉士や社会福祉士などの福祉の専門職で編成するチームで、一般避難所で高齢者や障害者などの福祉ニーズを把握し、生活機能の低下や状態の悪化を防ぐ支援を行います。見分け方として、法令やガイドラインの実際の定め方と向きが逆になっている記述を落とすと整理しやすくなります。
出題当時の災害救助法では、救助の種類に福祉サービスの提供は挙げられていませんでした。現在は災害対策基本法等の一部を改正する法律(令和7年法律第51号、2025年7月1日施行)により、災害救助法の救助の種類に福祉サービスの提供が加わっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1被災者生活再建支援制度の対象とする自然災…:被災者生活再建支援制度の対象となる自然災害は、市町村で10世帯以上の住宅全壊被害が発生した場合などとされています。1000世帯以上という要件ではなく、規模を大きく取り違えています。
- 3災害救助法では,災害ボランティアセンター…:災害救助法は、避難所の供与や食品の給与など都道府県等が行う救助の内容を定めた法律で、社会福祉協議会に災害ボランティアセンターの設置を義務づける規定は置いていません。多くは社会福祉協議会が自主的に設置・運営しています。
- 5内閣府の「福祉避難所の確保・運営ガイドラ…:福祉避難所の確保・運営ガイドラインは2021年の改定で、指定福祉避難所の受入対象者をあらかじめ特定して公示する仕組みを取り入れました。対象者を特定してはならないとする記述は、その内容と逆です。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題50。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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