平成23年度 秋期 午前 問23
コンピュータ構成要素
LSIに関する問題
LSI の故障メカニズムの一つである ESD(Electrostatic Discharge)破壊の説明として,適切なものはどれか。
- ア機械的な力によって,配線が切断されてしまう現象
- イ寄生サイリスタの導通によって,半導体素子が破壊されてしまう現象
- ウ静電気放電によって,半導体素子が破壊されてしまう現象
- エ電流が過度に流れることによって,配線が切断されてしまう現象
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✓ これが正解ウ静電気放電によって,半導体素子が破壊されてしまう現象
解説
静電気の放電で半導体素子が壊れる現象です。
この設問は、略語のもとの綴りを括弧の中に添えています。Electrostatic は静電気の、Discharge は放電という意味ですから、そのまま訳せば静電気放電になります。つまり呼び名そのものが、何を引き金とする壊れ方かを言い切っているわけです。人や道具にたまった電荷が、端子に触れた瞬間に一気に流れ込み、半導体素子の中の薄い膜や接合の部分を突き破ってしまいます。LSI を扱うときに基板を素手で触らないように言われるのはこのためで、作業台や手首を接地する、導電性の袋に入れて運ぶ、湿度を保つといった備えが取られます。四つの記述を読み分ける軸は二つです。一つは、引き金が何かという点です。電気的なものか、機械的なものか、それとも素子の内部に生じる働きかという違いがあります。もう一つは、壊れるのがどこかという点です。配線が切れるのか、素子そのものが壊れるのかで分かれます。この二つを当てはめれば、略語の訳と重なる記述は一つに絞り込めます。半導体の壊れ方にはほかにも名前の付いた型がいくつもありますが、いずれも引き金と壊れる場所の組合せで区別できるようになっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア機械的な力によって,配線が切断されてしま…:機械的な力によって配線が切れるという記述です。引き金が力であって電荷の移動ではないので、静電気という語と対応しません。壊れる場所も素子ではなく配線の側になっています。
- イ寄生サイリスタの導通によって,半導体素子…:寄生サイリスタが導通して素子が壊れるという記述です。壊れる場所は合っていますが、引き金は素子の内部に生じる構造の働きであり、外からの放電が原因ではありません。
- エ電流が過度に流れることによって,配線が切…:電流が過度に流れることで配線が切れるという記述です。電気が関わる点までは近いものの、一瞬の放電を指してはおらず、壊れる場所も配線の側になっている点で外れます。
出典:平成23年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問23
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