第40回 午前 問2
社会・環境と健康
湿球黒球温度に関する問題
温熱指標である湿球黒球温度に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1熱輻射のことである。
- 2湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。
- 3屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。
- 431℃では、運動は原則中止である。
- 521~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。
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✓ これが正解431℃では、運動は原則中止である。
解説
湿球黒球温度31℃以上では、運動は原則中止とされています。
湿球黒球温度(WBGT)は、気温だけでなく、湿度と日射・輻射熱を合わせて暑さの危険度を表す指標です。屋外では、湿球温度に0.7、黒球温度に0.2、乾球温度に0.1の重みを掛けて足し合わせ、屋内や日射のない場所では湿球温度に0.7、黒球温度に0.3を掛けて足し合わせます。どちらの式でも湿度を反映する湿球温度の重みが最も大きいのが特徴です。
運動との関係は、日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針で段階ごとに目安が示されています。31℃以上は運動は原則中止、28〜31℃は厳重警戒で激しい運動は中止、25〜28℃は警戒で積極的に休憩、21〜25℃は注意で積極的に水分・塩分を補給、21℃未満はほぼ安全だが適宜水分・塩分を補給、という区分です。したがって、31℃では運動は原則中止とする記述が当てはまります。
覚え方としては、湿球が7割で湿度がいちばん効くこと、31℃で中止・28℃で激しい運動中止と、上の二つの区切りから押さえると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1熱輻射のことである。:熱輻射は、物体から放出される熱の放射そのものを指す言葉です。湿球黒球温度は、輻射熱に加えて湿度と気温も取り込んだ総合的な温熱指標なので、熱輻射と同じものではありません。
- 2湿球黒球温度の算出式において、黒球温度の影響は湿球温度より大きい。:算出式で黒球温度に掛ける係数は屋外で0.2、屋内で0.3であり、湿球温度の0.7よりずっと小さい値です。影響が大きいのは湿球温度の方なので、記述は逆になっています。
- 3屋外の湿球黒球温度は、乾球温度に係数を乗じた値を屋内の値から減じて算出する。:屋外の値は、屋内の式に乾球温度の項を加える形で計算し、黒球温度の係数も変わります。乾球温度の項を屋内の値から差し引くという計算手順は、どちらの式にもありません。
- 521~25℃で運動する場合、適宜水分と塩分の補給が必要である。:21〜25℃は注意の区分で、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給するよう求められています。適宜補給という目安は、その下の21℃未満の区分に当てはまる表現です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問2(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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