第40回 午前 問35
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
運動器の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1肘関節の伸展は、上腕二頭筋の収縮による。
- 2骨格筋は、横紋を有する。
- 3速筋線維は、遅筋線維よりもミトコンドリアを多く含む。
- 4運動神経終末の神経伝達物質は、アドレナリンである。
- 5筋収縮時には、アクチンの頭部でATPが加水分解される。
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✓ これが正解2骨格筋は、横紋を有する。
解説
骨格筋は、顕微鏡で横縞が見える横紋筋です。
筋肉は、骨格筋、心筋、平滑筋の3種類に分けられます。骨格筋と心筋は、アクチンとミオシンのフィラメントが規則正しく並んでいるため、顕微鏡で横縞(横紋)が見える横紋筋です。平滑筋には横紋がありません。骨格筋は自分の意思で動かせる随意筋でもあります。したがって、骨格筋が横紋を有するという記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、上腕二頭筋は肘を曲げる(屈曲)ときに収縮し、肘を伸ばす(伸展)のは上腕三頭筋の収縮によります。遅筋線維は持久的な運動に適しており、ミトコンドリアやミオグロビンを多く含むので赤く見えます。速筋線維は瞬発的な力を出す線維で、ミトコンドリアは遅筋線維より少なめです。運動神経の終末から骨格筋に放出される神経伝達物質はアセチルコリンです。筋収縮のときにATPを加水分解するのはミオシンの頭部で、そのエネルギーでアクチンを引き寄せます。
遅筋は赤くミトコンドリアが多い持久型、速筋は白く瞬発型、ATPを分解するのはミオシン、と対にして覚えると、記述の入れ替えに気づきやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1肘関節の伸展は、上腕二頭筋の収縮による。:上腕二頭筋は力こぶをつくる筋肉で、収縮すると肘が曲がります。肘を伸ばすときに働くのは、腕の裏側にある上腕三頭筋の収縮です。
- 3速筋線維は、遅筋線維よりもミトコンドリアを多く含む。:ミトコンドリアを多く含んで有酸素的にエネルギーをつくり、疲れにくいのは遅筋線維の方です。速筋線維は解糖系に頼って短時間に大きな力を出す線維です。
- 4運動神経終末の神経伝達物質は、アドレナリンである。:運動神経の終末と骨格筋が接する神経筋接合部では、アセチルコリンが放出されて筋が興奮します。アドレナリンは副腎髄質のホルモンで、この部位の伝達物質ではありません。
- 5筋収縮時には、アクチンの頭部でATPが加水分解される。:筋収縮でATPを分解する酵素活性をもつのはミオシンの頭部です。アクチンはミオシン頭部が結合して引き寄せる相手の細いフィラメントで、ATPを分解するのではありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問35(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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