第40回 午後 問99
栄養教育論
社会的認知理論に関する問題
K大学の学生対象の調査から、野菜摂取量が少ないことが明らかになった。この結果を踏まえ、学生食堂において野菜摂取量増加のための支援を行うことにした。支援内容と、社会的認知理論を構成する要素の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1野菜を100 g以上含む料理や定食のサンプルに、POP表示で野菜が多いことを示す。 ― 結果期待
- 2野菜摂取不足を簡易に推定できる装置を設置し、定期的に測定してもらう。 ― 観察学習
- 3野菜摂取と健康をテーマとしたチラシを作成し、配布する。 ― 自己制御
- 4学生が出演した、野菜を使った簡単レシピの調理体験動画を、デジタルサイネージで流す。 ― 自己効力感
- 5野菜摂取量の現状と目標量を書いたポスターを掲示する。 ― 相互決定主義
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✓ これが正解4学生が出演した、野菜を使った簡単レシピの調理体験動画を、デジタルサイネージで流す。 ― 自己効力感
解説
学生が出演する調理体験動画は代理体験で自己効力感を高めます。
社会的認知理論は、バンデューラが示した理論で、個人の認知、行動、環境が互いに影響し合うと考えます。構成要素には、自己効力感、結果期待、観察学習、自己制御、相互決定主義などがあります。自己効力感は、ある行動を自分はうまくできるという見込みのことで、成功体験、代理体験、言語的説得、生理的・情動的状態によって高まるとされます。
学生自身が出演し、野菜を使った簡単なレシピを調理する動画を流すと、見た学生は自分と似た立場の人ができているのを見て、自分にもできそうだと感じやすくなります。これは代理体験による自己効力感の向上にあたり、支援と構成要素の組合せが合っています。ほかの組合せは、支援の中身を一言で言い換えると、選ぶ場面の手がかり、自分の状態の測定、知識の提供、目標の提示となり、組み合わされた要素の定義とは重なりません。
組合せ問題では、支援の内容を一言で言い換え、その言い換えが要素の定義と重なるかを確かめると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1野菜を100 g以上含む料理や定食のサンプルに、POP表示で野菜が多いことを示す。 ― 結果期待:結果期待は、ある行動をとるとどんな結果が得られるかという見込みです。野菜が多い料理であることを示すPOP表示は、選ぶときの手がかりを整える環境面の働きかけで、行動の結果への期待を育てるものではありません。
- 2野菜摂取不足を簡易に推定できる装置を設置し、定期的に測定してもらう。 ― 観察学習:観察学習は、他者の行動とその結果を見て学ぶことです。装置で自分の野菜摂取の不足を推定するのは、自分の状態を測って知る働きかけで、他者を観察する要素はありません。
- 3野菜摂取と健康をテーマとしたチラシを作成し、配布する。 ― 自己制御:自己制御は、目標を立て、自分の行動を観察し、評価して調整する働きです。健康とのつながりを伝えるチラシの配布は知識の提供であり、学生が自分の行動を調整する仕組みは含まれていません。
- 5野菜摂取量の現状と目標量を書いたポスターを掲示する。 ― 相互決定主義:相互決定主義は、個人・行動・環境が互いに影響し合うという理論全体の考え方です。現状と目標量を書いたポスターは目標や情報の提示であり、この考え方を具体化した支援とは言えません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問99(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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