2024年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60
相続・事業承継
遺留分に関する民法の特例の問題
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社事業後継者が本特例の適用を受けるためには、遺留分を有する旧代表者の推定相続人および会社事業後継者全員の書面による合意が必要である。
- 2本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができる。
- 3本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、本特例の適用に係る合意をした時点の価額とすることができる。
- 4本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者の親族に限られる。
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✓ これが正解4本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者の親族に限られる。
解説
本特例の後継者は旧代表者の親族に限られず、親族外の人も対象です。
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による遺留分に関する民法の特例(本特例)は、先代経営者(旧代表者)から後継者に贈与された自社株式について、遺留分をめぐる争いで株式が分散することを防ぐための制度です。
本特例の対象となる後継者は、旧代表者の推定相続人に限られず、親族以外の人も対象とされています。従業員や外部から招いた人に事業を引き継ぐ場合にも使える制度です。会社事業後継者は旧代表者の親族に限られるとする記述は不適切で、これが正解です。
本特例の中身としては、自社株式を遺留分を算定するための財産の価額から除外する除外合意と、算入する価額を合意時の価額に固定する固定合意があります。適用を受けるには、推定相続人と後継者全員の合意に加えて、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を受ける手続が必要です。
除外は計算から外す、固定は合意時の価額で止める、と2つの合意を言葉の意味どおりに覚えると区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1会社事業後継者が本特例の適用を受けるため…:本特例を利用するには、遺留分を有する旧代表者の推定相続人と後継者全員が書面で合意することが必要です。そのうえで経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を受けるので、この記述は適切です。
- 2本特例の適用を受けることにより、会社事業…:除外合意をすると、後継者が旧代表者から贈与を受けた自社株式の価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができます。株式をめぐる遺留分の請求を避けられ、この記述は適切です。
- 3本特例の適用を受けることにより、会社事業…:固定合意をすると、遺留分を算定するための財産の価額に算入する自社株式の価額を、合意をした時点の価額に固定できます。後継者の努力で株価が上がっても遺留分が増えないので適切です。
出典:2024年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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