第110回 午前 問9
公衆衛生看護活動展開論
向老期の女性の健康課題で正しいのはどれか。
- 1子宮頸癌が増加する。
- 2器質的変化に起因する更年期症状が起こる。
- 3骨盤底筋群の収縮力の低下によって排尿障害が起こる。
- 4プロゲステロンの産生低下に起因して動脈硬化が起こる。
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✓ これが正解3骨盤底筋群の収縮力の低下によって排尿障害が起こる。
解説
骨盤底筋群の収縮力が弱まると尿失禁などの排尿障害が起こります。
向老期は、更年期を過ぎて老年期へ移っていく時期で、女性ではエストロゲンの分泌が大きく減ることによる体の変化がさまざまな健康課題につながります。判断の軸は、この時期の女性に起こる変化を、ホルモンの変化と、加齢による筋肉や組織の変化に分けて考えることです。
骨盤底筋群は、膀胱や子宮、直腸を下から支え、尿道を締める働きにも関わる筋肉の集まりです。出産の影響や加齢、エストロゲンの低下などで収縮力が弱まると、咳やくしゃみのときに尿がもれる尿失禁などの排尿障害が起こりやすくなります。記述は正しい内容です。
ほかの記述では、子宮頸癌は比較的若い年代から増える癌で、向老期に特徴的に増える健康課題ではありません。更年期症状は、卵巣の働きが衰えてホルモンのバランスが崩れることによる機能的な変化から起こるもので、臓器の形が変わる器質的な変化が原因ではありません。動脈硬化が進みやすくなるのは、血管を守る働きのあるエストロゲンが減るためで、プロゲステロンの低下に結びつけるのは誤りです。
覚え方として、閉経後の女性の健康課題は、エストロゲンの低下と骨盤底筋群の衰えの2つから整理するとまとまります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1子宮頸癌が増加する。:子宮頸癌は、性成熟期の比較的若い年代から罹患が増える癌として知られています。向老期になって特に増加する健康課題とはいえないため、この記述は合いません。
- 2器質的変化に起因する更年期症状が起こる。:更年期症状は、卵巣機能の低下によるホルモン分泌の変化が引き起こす機能的な不調です。臓器の形や構造が変わる器質的な変化に起因するものではありません。
- 4プロゲステロンの産生低下に起因して動脈硬化が起こる。:閉経後に動脈硬化が進みやすくなるのは、血管を保護する方向に働くエストロゲンが減るためです。プロゲステロンの産生低下を原因とする説明は、ホルモンの取り違えです。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問9(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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