第110回 午前 問42
公衆衛生看護活動展開論
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
A市には高度経済成長期に建設された100戸ほどの集合住宅がある。急な坂の上にあり、近年、高齢化が進んでいる。先日、集合住宅の1人暮らし高齢者が自宅で亡くなっている状態で発見された。集合住宅を含むこの地域の自治会長が会議で保健センターに来所した際に「亡くなった高齢者はほとんど人付き合いがなく、自宅で閉じこもっていたようです。二度とこのようなことが起こらないように、自治会でも何かできないでしょうか」と相談した。
保健センターの保健師は、改めてこの集合住宅を含む地域についてアセスメントを行うことにした。対象とするデータで優先度が高いのはどれか。
- 1地域密着型サービスの事業所数
- 2在宅療養支援診療所数
- 3世帯構造別世帯数
- 4生活保護世帯数
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✓ これが正解3世帯構造別世帯数
解説
1人暮らし高齢者の把握には世帯構造別世帯数のデータが優先されます。
この地域では、高度経済成長期に建てられた集合住宅で高齢化が進み、1人暮らしの高齢者が人付き合いのないまま自宅で亡くなって発見されました。改めて地域をアセスメントするときに最初に押さえたいのは、同じように孤立するおそれのある人が地域にどれだけいるかという、課題の大きさです。
世帯構造別世帯数を見ると、単独世帯、夫婦のみの世帯、三世代世帯などの内訳が分かり、高齢者の単独世帯や高齢者夫婦のみの世帯がどのくらいあるかを把握できます。孤立のおそれが大きい層の規模や分布をつかむことができるため、この事例の課題に直結する優先度の高いデータです。
地域密着型サービスの事業所数や在宅療養支援診療所数は、地域の介護・医療の資源を示すデータで、対策を考える段階で必要になりますが、孤立しやすい住民がどれだけいるかを示すものではありません。生活保護世帯数は経済的に困窮する世帯の状況を示すデータで、閉じこもりや孤立という今回の課題との結びつきは弱くなります。
アセスメントでは、まず課題を抱える対象の数と分布を示すデータを優先する、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1地域密着型サービスの事業所数:介護が必要な人を支える地域の資源の量を示すのが、地域密着型サービスの事業所数です。対策を考える段階では役立ちますが、孤立のおそれのある住民がどれだけいるかは分かりません。
- 2在宅療養支援診療所数:在宅療養支援診療所数は、自宅で療養する人を支える医療の資源を表すデータです。今回の課題である、人付き合いがなく孤立する高齢者の数や広がりを把握するデータではありません。
- 4生活保護世帯数:生活保護世帯数からは、経済的に困窮している世帯の状況が分かります。事例の課題は閉じこもりや社会的な孤立なので、経済状況のデータを最優先にする理由は乏しいといえます。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問42(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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