第110回 午前 問41
個人・家族・集団・組織の支援
自治会に関する問題
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
A市には高度経済成長期に建設された100戸ほどの集合住宅がある。急な坂の上にあり、近年、高齢化が進んでいる。先日、集合住宅の1人暮らし高齢者が自宅で亡くなっている状態で発見された。集合住宅を含むこの地域の自治会長が会議で保健センターに来所した際に「亡くなった高齢者はほとんど人付き合いがなく、自宅で閉じこもっていたようです。二度とこのようなことが起こらないように、自治会でも何かできないでしょうか」と相談した。
保健センターの保健師の支援で最も適切なのはどれか。
- 1地域包括支援センターに相談するよう促す。
- 2自治会役員による1人暮らし高齢者宅への訪問を勧める。
- 3住民を対象とした閉じこもり予防教室の開催を企画する。
- 4自治会主催の地域住民を対象とした意見交換会の開催を提案する。
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✓ これが正解4自治会主催の地域住民を対象とした意見交換会の開催を提案する。
解説
自治会主催の意見交換会で、住民が課題を共有し考える場をつくります。
この場面では、集合住宅で1人暮らしの高齢者が孤立したまま亡くなったことを受け、自治会長が、自治会でも何かできないかと自ら保健センターに相談に来ています。住民組織の代表が主体的に動こうとしているこの機会をとらえ、住民自身が課題を考え、解決に向けて動けるよう支えることが、地域の組織活動を支援する保健師の役割です。
自治会が主催し、地域住民を対象に意見交換会を開くことを提案すると、住民どうしが孤立死という出来事を共有し、自分たちの地域の課題として何ができるかを話し合う場になります。住民の思いや地域の実情が見え、その後の見守りや交流の活動を住民主体で生み出すきっかけになるため、最も適切な支援です。
地域包括支援センターへの相談を促すだけでは、自治会の主体的な動きを専門機関へ委ねてしまい、住民の力を引き出すことになりません。自治会役員による1人暮らし高齢者宅への訪問は、住民の合意や準備がないまま一部の役員に負担が集中するおそれがあります。保健師が閉じこもり予防教室を企画するのは行政主導の取り組みで、自分たちで何かしたいという自治会長の思いを生かしていません。
住民組織から相談があったときは、住民が主体となって話し合う場づくりをまず支える、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1地域包括支援センターに相談するよう促す。:地域包括支援センターは高齢者支援の重要な連携先ですが、自治会でも何かしたいという相談に対して相談先を紹介するだけでは、住民の主体的な動きを支えることにつながりません。
- 2自治会役員による1人暮らし高齢者宅への訪問を勧める。:役員による訪問は見守りの方法の1つですが、住民の間で課題を共有し合意をつくる前に始めると、一部の役員に負担が偏り、続かなくなるおそれがあります。最初の支援としては早すぎます。
- 3住民を対象とした閉じこもり予防教室の開催を企画する。:閉じこもり予防教室を保健師が企画するのは、行政が主導する事業です。自治会長が示した、住民の側で取り組みたいという意欲を生かす支援にはなっていません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問41(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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