第110回 午前 問47
疫学
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
人口200万人のA県において、ある感染症の抗体保有率を把握するために標本調査を行うことにした。
この研究デザインはどれか。
- 1横断研究
- 2介入研究
- 3コホート研究
- 4症例対照研究
- 5生態学的研究
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✓ これが正解1横断研究
解説
ある一時点の抗体保有率を調べる標本調査は横断研究です。
研究デザインは、いつの時点の情報を、どのような順番で集めるかで区別します。この調査は、A県の住民から標本を選び、ある感染症の抗体をもっている人の割合(抗体保有率)を把握するものです。対象者を時間を追って観察したり、何かの介入を加えたりはせず、ある時点で抗体の有無という状態を一度に調べています。
このように、ある一時点で集団の特性や病気の有無、要因の状態を同時に調べる研究は横断研究です。有病率や保有率などの割合を把握するのに適しています。
介入研究は、研究者がワクチンの接種などの介入を加え、その効果を比べるもので、この調査では介入をしていません。コホート研究は、要因のある群とない群を一定期間追跡し、病気の発生を比べる研究です。症例対照研究は、病気のある人とない人を選んで、過去の要因へのさらされ方を比べる研究です。生態学的研究は、個人ではなく、地域や国などの集団を単位にしたデータを比べる研究で、この調査は個人ごとに抗体を調べています。
一時点で状態を調べるなら横断研究、追跡するならコホート研究、過去にさかのぼるなら症例対照研究、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2介入研究:研究者が予防接種などの働きかけを行い、その結果を働きかけない群と比べるのが介入研究です。この調査は抗体の有無を測るだけで、何も働きかけをしていないので当てはまりません。
- 3コホート研究:コホート研究は、要因の有無で分けた集団を将来に向かって追いかけ、病気の発生を比べます。今回は対象者を追跡せず、一度の調査で状態を把握しているので該当しません。
- 4症例対照研究:症例対照研究は、病気になった人とならなかった人を集め、過去の要因を比べる研究です。今回は病気の有無で対象を選んでおらず、県民から標本を抽出しているので異なります。
- 5生態学的研究:生態学的研究は、地域や国といった集団単位の統計を比べて関連を調べるものです。この調査では個人ごとに抗体の有無を測っているので、生態学的研究にはあたりません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問47(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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