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第110回 午前 問55

個人・家族・集団・組織の支援

認知症に関する問題

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(85歳、男性)は息子(50歳)と2人暮らしで、介護保険サービスを利用していない。民生委員から市役所の保健師に「Aさんが最近痩せてきて、着替えもできていない様子。ここ数日見かけない。息子はたまにアルバイトをしているがほとんどAさんの年金で生活をしている」と相談があった。

保健師が民生委員と一緒に自宅を訪問すると、Aさんはごみが散乱している居間に寝ていた。息子は「父親の夕食は自分が弁当を買ってきている。朝食や昼食は夕食の弁当の残りを食べている」と言う。Aさんは失禁がみられ、数週間入浴もしていないようであった。

保健師が息子と話をすると「1年前にかかりつけの医師から父は認知症だと説明された」「父はわざと自分を困らせようと失禁している」と言う。保健師は息子の大変さをねぎらい、息子へAさんの介護保険サービスを早急に利用するように伝えるが、息子は「お金がもったいない。このまま寝かせておく」と拒否した。保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

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✓ これが正解4Aさんの福祉の措置について検討する。

解説

本人に危険が迫り息子が拒否するので、福祉の措置を検討します。

Aさんは認知症で、失禁があり、数週間入浴もしておらず、十分な食事もとれていない状態で、生命や身体に危険が及んでいるおそれがあります。保健師が介護保険サービスの早急な利用を勧めても、息子はお金がもったいない、このまま寝かせておくと拒否しています。息子は認知症による失禁を、わざと困らせようとしていると受け止めており、適切な介護が行われる見込みは低い状況です。

このように、介護が必要なのに養護者の拒否などで介護保険サービスを利用できない、やむを得ない事由がある場合、市町村は老人福祉法に基づく福祉の措置として、職権で居宅サービスの提供や特別養護老人ホームへの入所を行うことができます。老人福祉法第11条第1項第2号は、やむを得ない事由により介護保険の施設に入所することが著しく困難な65歳以上の人を、市町村が特別養護老人ホームに入所させることなどを定め、高齢者虐待防止法第9条第2項も、市町村がこうした措置を適切に講じるものとしています。Aさんの安全を守るために、福祉の措置について検討することが優先度の高い対応です。

息子との継続した面接や認知症の症状と対応方法の指導は、息子への支援として大切ですが、時間がかかり、Aさんに迫った危険には間に合いません。民生委員の見守りの継続では状況は改善しません。生活保護の申請の支援は、経済的な困窮の確認もないまま優先して行う対応ではありません。

養護者がサービスを拒否し本人に危険が迫るときは、やむを得ない事由による措置を検討する、と覚えておきましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問55(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。

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