第110回 午後 問54
公衆衛生看護管理論
次の文を読み53、54の問いに答えよ。
A市で実施している1歳6か月児健康診査では、「経過観察」の割合が年々増加している。そこで、経過観察となった親子を対象に、県と連携して新規事業の立ち上げを検討することにした。
事業は母親が子どもと一緒に遊びながら関わり方を学んでいく内容で、月に1回、交通の便が良い会場で開催した。毎回、定員を超える希望者があった。県とは3か月に1回の連携会議を開催し、課題の共有と改善方法の検討を行った。1年後、参加者からは、子どもとの関わり方のヒントが得られ、安心して子育てができるようになったとの感想が聞かれた。
事業の評価の種類とその指標の組合せで正しいのはどれか。
- 1プロセス評価 ― 定員を超える希望者数
- 2アウトカム評価 ― 安心して子育てができると感じた参加者の増加
- 3アウトプット評価 ― 会場の交通の便の良さ
- 4ストラクチャー評価 ― 3か月に1回の県との連携会議の開催
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✓ これが正解2アウトカム評価 ― 安心して子育てができると感じた参加者の増加
解説
安心して子育てできる参加者の増加はアウトカム評価の指標です。
保健事業の評価は、ストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトプット(事業実施量)、アウトカム(結果)の4つの観点で整理されます。ストラクチャーは人員や予算、施設、関係機関との連携の仕組みなどの実施体制、プロセスは事業の進め方や実施の過程、アウトプットは実施回数や参加者数などの事業の量、アウトカムは事業によって対象者に起きた変化や成果を見るものです。
この事業の目的は、経過観察となった親子が子どもとの関わり方を学び、安心して子育てができるようになることです。1年後に参加者から、関わり方のヒントが得られ安心して子育てができるようになったという感想が聞かれています。決め手は、安心して子育てができると感じる参加者が増えることが、事業によって参加者自身に起きた変化、つまり事業の成果そのものである点です。したがって、アウトカム評価とその指標の組合せが正しいです。定員を超える希望者の数は参加の量にあたり、会場の交通の便は実施の条件、県との連携会議は事業を進める過程の取り組みなので、ほかの組合せは評価の種類と指標が合っていません。
評価の種類は、体制・過程・量・成果の順に、何を見ているかで指標を当てはめると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1プロセス評価 ― 定員を超える希望者数:定員を超える希望者の数は、事業がどれだけ利用されたかという量を示す値で、アウトプットの側面で見る指標です。事業の進め方や実施の過程を見るプロセス評価の指標としては組合せが合いません。
- 3アウトプット評価 ― 会場の交通の便の良さ:会場の交通の便の良さは、事業を実施するための場所や条件にあたり、ストラクチャーの側面から見る内容です。実施回数や参加者数のような事業の量を示すアウトプット評価の指標ではありません。
- 4ストラクチャー評価 ― 3か月に1回の県との連携会議の開催:連携する体制があるかどうかではなく、会議を定期的に開いて課題を共有し、改善を話し合っているという進め方そのものを示しています。事業の過程を見るプロセスの側面の内容で、体制を見る区分との組合せは合いません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問54(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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