第110回 午後 問55
公衆衛生看護管理論
地域・職域連携推進協議会の問題
次の文を読み55の問いに答えよ。
人口250万人のA県。特定健康診査の受診率が35 %、特定保健指導の実施率は隣県より低い。40~50歳代の肥満と高血圧者が増加している。また、30歳代の喫煙率も男性が40 %、女性が20 %と隣県より高い。県の方針として健康寿命の延伸と生活習慣病予防を掲げ、地域・職域連携推進に取り組むために地域・職域連携推進協議会を設けることにした。
初回の会議で取り上げる議題で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1A県の勤労世代における健康課題
- 2高血圧の就労者に向けた講演会の内容
- 3小規模事業者の特定保健指導のあり方
- 4健康経営認定事業所を増やすための取り組み
- 5協議会に参加する組織で実施している健康増進事業
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✓ これが正解1A県の勤労世代における健康課題
✓ これが正解5協議会に参加する組織で実施している健康増進事業
解説
初回は勤労世代の健康課題と、各組織の健康増進事業を共有します。
地域・職域連携推進協議会は、自治体などの地域保健と、事業所や医療保険者などの職域保健が連携して、働く世代を含む生涯を通じた健康づくりを進めるための場です。厚生労働省の地域・職域連携推進ガイドライン(令和元年)は、協議会での取り組みを、現状分析、課題の明確化・目標設定、連携事業のリストアップ、連携内容の検討・決定及び提案、実施計画の作成、連携事業の実施、評価というPDCAサイクルの流れで示しています。
初回の会議は、この流れの最初の段階にあたります。決め手は、参加する組織どうしがまだ共通の理解をもっていない段階で、まず現状を分析し、課題を共有する必要があるという点です。A県の勤労世代における健康課題を議題にすれば、特定健康診査の受診率の低さや、40~50歳代の肥満と高血圧、30歳代の喫煙率の高さといった状況を、参加者全員で確かめられます。あわせて、協議会に参加する組織がすでに実施している健康増進事業を持ち寄れば、それぞれの強みと重なり、足りない部分が見えてきます。したがって、この2つが初回の議題として適切です。講演会の内容や小規模事業者の保健指導のあり方、健康経営認定事業所を増やす取り組みは、課題と目標が定まってから検討する具体策です。
協議会の議題は、現状の共有、課題と目標、具体策、評価の順に進む、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2高血圧の就労者に向けた講演会の内容:高血圧の就労者に向けた講演会の内容は、課題と目標を定めた後に決める具体的な連携事業の中身です。初回の会議で、参加組織が共通の課題を確かめる前に検討する議題としては早すぎます。
- 3小規模事業者の特定保健指導のあり方:小規模事業者の特定保健指導のあり方は、特定の対象に向けた具体的な対策の検討にあたります。県全体の勤労世代の課題や各組織の取り組みを共有する前の初回の議題としては、段階が進みすぎています。
- 4健康経営認定事業所を増やすための取り組み:健康経営認定事業所を増やすための取り組みは、目標が決まった後に考える具体策の1つです。初回はまず、県の健康課題と各組織の現状を共有して、何を目指すかを話し合う段階です。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問55(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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