第111回 午前 問8
保健医療福祉行政論
日本の精神保健医療施策の変遷と関係する法律の組合せで正しいのはどれか。
- 1私宅監置の廃止 ―― 精神衛生法
- 2ライシャワー事件を契機に制定 ―― 精神病者監護法
- 3精神医療に関する日本の最初の法律 ―― 精神保健法
- 4精神障害者を「障害者」として位置付け ―― 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
答えと解説を見る
✓ これが正解1私宅監置の廃止 ―― 精神衛生法
解説
私宅監置を廃止したのは昭和25年制定の精神衛生法です。
日本の精神保健医療の法律は、精神病者監護法(明治33年)、精神病院法(大正8年)、精神衛生法(昭和25年)、精神保健法(昭和62年)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(平成7年)と移り変わってきました。それぞれの法律が何をきっかけに、何を変えたかを組み合わせて覚えることが判断の軸です。
精神病者監護法は、家族が精神障害者を自宅の一室などに閉じ込める私宅監置を認めていました。戦後に制定された精神衛生法は、この私宅監置を廃止し、都道府県に精神科病院の設置を義務付けるなど、医療につなげる仕組みへ転換しました。したがって、私宅監置の廃止と精神衛生法の組合せが正しいものです。
ライシャワー事件は昭和39年に起き、精神衛生法の改正(昭和40年)のきっかけになりました。入院患者の人権侵害が問題となった宇都宮病院事件の後には、精神保健法への改正が行われています。事件と法改正の対応をセットで押さえておくと、組合せの問題で迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2ライシャワー事件を契機に制定 ―― 精神病者監護法:ライシャワー事件は昭和39年に起きた事件で、翌年の精神衛生法の改正につながりました。精神病者監護法は明治時代に作られた法律で、この事件より半世紀以上前に制定されています。
- 3精神医療に関する日本の最初の法律 ―― 精神保健法:精神医療に関する日本で最初の法律は、明治33年の精神病者監護法です。精神保健法は昭和62年に精神衛生法を改正して生まれた法律で、入院患者の人権への配慮や社会復帰の促進が柱でした。
- 4精神障害者を「障害者」として位置付け ―― 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉:精神障害者を障害者として法律上明確に位置付けたのは、平成5年の障害者基本法です。精神保健福祉法はそれを受けて平成7年に精神保健法を改めた法律で、福祉の施策を加えたものです。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)