第111回 午前 問29
疫学
寄与危険の値
あるコホート研究において得られた結果を表に示す。
| 群 | 罹患者数(人) | 観察時間の合計(人年) |
|---|---|---|
| 曝露群 | 125 | 25,000 |
| 非曝露群 | 30 | 30,000 |
観察時間1,000人年当たりの罹患率から求めた曝露による寄与危険の値はどれか。
- 10.20
- 20.25
- 31.25
- 44.0
- 55.0
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✓ これが正解44.0
解説
寄与危険は罹患率の差で、5.0−1.0=4.0(1,000人年当たり)です。
寄与危険は、曝露群の罹患率から非曝露群の罹患率を引いた値で、曝露によって上乗せされた罹患の大きさを表します。比ではなく差をとる点が、相対危険との違いです。
まず、観察時間1,000人年当たりの罹患率を求めます。曝露群は125÷25,000×1,000=5.0、非曝露群は30÷30,000×1,000=1.0です。寄与危険はその差なので、5.0−1.0=4.0となり、1,000人年当たり4.0の罹患が曝露によって上乗せされていると解釈できます。なお、同じ数値から相対危険を求めると5.0÷1.0=5.0、寄与危険割合を求めると4.0÷5.0=0.8になります。
これは、曝露群と非曝露群の罹患率の差で曝露の影響の大きさを測る、寄与危険という考え方です。差なら寄与危険、比なら相対危険、と計算の形で区別して覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 10.20:0.20は、非曝露群の罹患率1.0を曝露群の罹患率5.0で割った値で、相対危険5.0の逆数にあたります。比をとっているうえに向きも逆で、罹患率の差である寄与危険ではありません。
- 20.25:0.25は、寄与危険4.0の逆数(1÷4.0)にあたる値です。罹患率の差そのものを表す値ではなく、寄与危険を求める手順からはこの値は出てきません。
- 31.25:1.25は、曝露群の罹患率5.0を寄与危険4.0で割った値で、寄与危険割合0.8の逆数にあたります。罹患率の差を求めていないため、寄与危険にはなりません。
- 55.0:5.0は、曝露群の罹患率そのものであり、相対危険(5.0÷1.0)の値でもあります。非曝露群の罹患率1.0を差し引いていないので、曝露によって増えた分である寄与危険にはなりません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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