第111回 午後 問39
公衆衛生看護活動展開論
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
A市の保健師は、4か月児健康診査未受診者の家庭訪問を行った。母親のBさん(40歳)は「近隣に2人で住む私の両親の介護があり、子どもの健診に行けなかった。父は要介護4、母は要支援2で、育児と介護で忙しい」と話した。保健師は、Bさんと同様の人が他にもいるかもしれないと考え、育児と介護の両方をしている人の実態把握のために、アンケート調査を行うこととした。
実態把握のための調査対象者で優先度が高いのはどれか。
- 1乳幼児健康診査の対象児の保護者
- 2家族介護者の会の参加者
- 3育児サークルの参加者
- 4民生・児童委員
答えと解説を見る
✓ これが正解1乳幼児健康診査の対象児の保護者
解説
実態把握には、乳幼児健康診査の対象児の保護者を調べるのが適切です。
実態把握の調査では、知りたい集団をもれなく、偏りなく含む対象を選ぶことが大切です。保健師が知りたいのは、育児と介護の両方をしている人がどのくらいいて、どんな状況にあるかです。育児をしている人の中から介護もしている人を見つけ出すには、育児をしている人全体に近い集団を対象にする必要があります。
乳幼児健康診査は市町村が対象の子ども全員に案内するもので、その保護者を対象にすれば、地域で乳幼児を育てる人をほぼ網羅でき、その中で介護もしている人の割合や困りごとをとらえられます。会やサークルの参加者は自ら参加できる人に偏り、Bさんのように忙しく出かけにくい人がもれやすくなります。地域の見守り役の人は当事者本人ではないため、本人の思いや実態を直接とらえることはできません。
実態把握の対象は、当事者を広く偏りなく含む名簿がある集団を選ぶ、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2家族介護者の会の参加者:家族介護者の会の参加者は介護をしている人ですが、会に足を運べる人に限られます。育児もしている人はその中の一部で、育児と介護で忙しく参加できない人ほど調査からもれてしまいます。
- 3育児サークルの参加者:育児サークルの参加者は、自分で活動に参加できる余裕のある人に偏りやすい集団です。Bさんのように介護も抱えて外出しにくい人は参加していないことが多く、実態をとらえにくくなります。
- 4民生・児童委員:民生・児童委員は地域の住民を見守り、相談に応じる立場の人ですが、育児と介護をしている当事者本人ではありません。本人が感じている負担や必要としている支援を直接聞き取ることはできません。
出典:第111回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問39(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)