第111回 午後 問47
個人・家族・集団・組織の支援
無関心期への対応で適切なの
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
A社は、従業員1,200名のIT企業である。社内に数か所ある喫煙室について「喫煙室付近が、たばこ臭くとても不快である」と複数の社員から保健師に訴えがあった。保健師が喫煙室を巡視すると喫煙室周辺にたばこ臭が認められた。
その後A社では、健康増進法および労働安全衛生法に基づく職場における受動喫煙防止のためのガイドラインを踏まえ建物内禁煙を決め、さらに受動喫煙対策について見直しを検討することとなった。
A社では、社内の受動喫煙対策の強化に加え喫煙者に対し禁煙指導を行うことを決めた。これを受け保健師は健康診断の問診票からA社の喫煙者の禁煙に対する意向を分析した。その結果、変化ステージ理論の無関心期にある者が多いことが分かった。無関心期への対応で適切なのはどれか。
- 1禁煙外来を紹介する。
- 2禁煙の重要性について説明する。
- 3職場の上司から禁煙を促してもらう。
- 4禁煙までのスケジュールを立ててもらう。
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✓ これが正解2禁煙の重要性について説明する。
解説
無関心期には、禁煙の重要性を伝えて関心を高める働きかけをします。
変化ステージ理論(トランスセオレティカルモデル)は、行動の変化を、無関心期(6か月以内に行動を変える気がない)、関心期、準備期、実行期、維持期の段階でとらえ、段階に合った働きかけを選ぶ考え方です。無関心期の人は、喫煙の害や禁煙の利点を自分のこととして考えていないことが多く、いきなり具体的な行動を求めても応じてもらえません。
この段階で大切なのは、禁煙がなぜ必要か、喫煙が自分や周りの人の健康にどう影響するかを知ってもらい、関心を高めること(意識の高揚)です。禁煙の重要性について説明する対応はこれにあたり、無関心期に適しています。ほかの肢は、禁煙を始めると決めた後の段階に向く支援か、本人の関心が育たないまま外から圧力をかける対応です。
無関心期は知らせて気づかせる、準備期は計画を立てる、実行期・維持期は続ける工夫を支える、と段階ごとの働きかけを対にして覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1禁煙外来を紹介する。:禁煙外来は、禁煙すると決めた人が治療の助けを受けて取り組むための場です。禁煙を考えていない無関心期の人に紹介しても受診する動機がなく、利用にはつながりにくいと考えられます。
- 3職場の上司から禁煙を促してもらう。:職場の上司から禁煙を促されると、本人は納得しないまま圧力を感じ、かえって反発することがあります。職場での立場の関係も絡むため、本人の関心を自然に高める働きかけにはなりません。
- 4禁煙までのスケジュールを立ててもらう。:禁煙までのスケジュールを立てることは、近いうちに禁煙を始めようと決めている準備期の人に向いた支援です。禁煙する気持ちがまだない無関心期の人には、計画づくりは早すぎます。
出典:第111回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問47(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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