第112回 午前 問30
疫学
同じスクリーニング検査を有病率(有病割合)が1%の集団Aと20%の集団Bに行った。評価指標と集団の関係について正しいのはどれか。
- 1特異度は集団Aより集団Bの方が高い。
- 2敏感度は集団Aより集団Bの方が高い。
- 3集団Aと集団Bで評価指標は一致している。
- 4陰性反応的中度は集団Aより集団Bの方が高い。
- 5陽性反応的中度は集団Aより集団Bの方が高い。
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✓ これが正解5陽性反応的中度は集団Aより集団Bの方が高い。
解説
有病率が高い集団ほど、陽性反応的中度は高くなります。
スクリーニング検査の評価指標のうち、敏感度は病気のある人を陽性と判定する割合、特異度は病気のない人を陰性と判定する割合で、検査そのものの性能を表します。同じ検査であれば、集団の有病率が変わっても、敏感度と特異度は変わりません。一方、陽性反応的中度は陽性と判定された人のうち本当に病気のある人の割合、陰性反応的中度は陰性と判定された人のうち本当に病気のない人の割合で、集団の有病率によって変わります。
有病率が高い集団では、陽性と判定された人の中に本当に病気のある人が多く含まれるため、陽性反応的中度は高くなります。例えば敏感度と特異度がともに90%の検査では、有病率1%の集団の陽性反応的中度は約8%ですが、有病率20%の集団では約69%になります。逆に、陰性反応的中度は有病率が高いほど低くなります。
したがって、陽性反応的中度は集団Aより集団Bの方が高いという記述が正しいものです。敏感度と特異度は検査の性能、的中度は集団の有病率次第と分けて覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1特異度は集団Aより集団Bの方が高い。:病気のない人を正しく陰性と判定できる割合は、検査そのものの性能で決まります。有病率が1%でも20%でも同じ検査なら値は等しく、Bの側で高くなることはありません。
- 2敏感度は集団Aより集団Bの方が高い。:敏感度は、病気のある人を陽性と正しく判定する割合で、検査の性能を表す指標です。有病率の違う集団に同じ検査を使っても変わらないので、集団Bの方が高いとはいえません。
- 3集団Aと集団Bで評価指標は一致している。:敏感度と特異度は両方の集団で同じですが、陽性反応的中度と陰性反応的中度は有病率によって変わります。すべての評価指標が一致するという記述は誤りです。
- 4陰性反応的中度は集団Aより集団Bの方が高い。:有病率が高くなると、陰性と出た人の中に見逃された患者が混じりやすくなります。そのため陰性の判定が当たる割合は、20%の集団Bのほうが1%の集団Aより下がります。
出典:第112回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問30(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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