平成24年度 春期 (特別措置試験) 問40
プロジェクトマネジメント
ステークホルダに関する問題
工場は,生産管理システムの開発を自社の情報システム部門に依頼し,情報システム部門は開発プロジェクトを編成した。依頼主である工場と情報システム部門との関わり方のうち,最も適切なものはどれか。
- ア開発作業の負荷を軽減するために,プロジェクト発足時に依頼内容を伝えた後,工場は情報システム部門とのコミュニケーションをとらない。
- イ開発プロジェクトで課題が発生した場合,工場は依頼主の立場で課題解決に積極的に関与する。
- ウ仕様変更を情報システム部門へ依頼する際,工場は情報システム部門の開発担当者に直接要望を伝え,その場で対応してもらう。
- エ生産管理システムの開発を行うのは情報システム部門なので,情報システム部門から工場への進捗報告や品質報告は不要である。
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✓ これが正解イ開発プロジェクトで課題が発生した場合,工場は依頼主の立場で課題解決に積極的に関与する。
解説
頼んだ側も当事者で、離れて待つほど品は良くなりません。
開発を頼んだ側は、注文を出したら終わりではありません。何が必要かをいちばん知っているのは、現場を回している側です。設問では、工場が生産管理の仕組みを情報システム部門へ頼みました。課題が出たとき、依頼主の立場で積極的に関わると述べた肢が当たります。仕様の細かい判断は、業務を知らなければ決められません。任せきりにすると、出来上がってから食い違いが噴き出します。作り直す費用も時間も、その時点になると重く跳ね返ります。だから節目ごとに中身を確かめ、決めるべきことを決めていきます。ステークホルダのひとりとして名を連ね、責任も分け合います。頼んだ側が動くほど、出来上がりは狙いに近づいていきます。ただし関わり方には筋道が必要で、手続を飛ばしてはなりません。シラバスも、責任者や利害関係者を用語として挙げています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発作業の負荷を軽減するために,プロジェ…:発足の時に依頼内容を伝えた後は関わらないという肢のほうです。負荷を軽くする配慮のように書かれてはいます。ところが疑問が出るたびに、作る側は推測で進むことになります。推測が積み重なった先に、使えない仕組みが出来上がります。
- ウ仕様変更を情報システム部門へ依頼する際,…:担当者へ直に頼み、その場で直してもらうというのが、この肢です。早く進むように見えて、実のところ危うい進め方でした。仕様の変更は、影響と工数を調べてから決めるものです。手続を飛ばせば、他の箇所が黙って壊れていきます。
- エ生産管理システムの開発を行うのは情報シス…:作るのは情報システム部門だから報告は不要だという言い分です。進み具合も質の状況も、頼んだ側が知らないままになります。遅れや不具合に気づくのは、受け取る当日になります。手を打てる時期に、知らせておく必要がありました。
この問題の用語
- ステークホルダその活動から影響を受ける、または活動に影響を与える人や組織。外部にもいて、不利益を受ける立場の人も含みます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問40
同じ用語が出る問題
- 令和8年度 問49:プロジェクト会議に関する記述(ステークホルダ)
- 令和8年度 問45(ステークホルダ)
- 令和8年度 問34:IT基本計画に関する問題(ステークホルダ)
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