第112回 午後 問120
看護の統合と実践
血液透析に関する問題
Cさんは直ちに入院となり、緊急で血液透析が開始されることになった。集中治療室のベッドサイドで血液透析が開始され、Cさんのバイタルサインは安定した。下肢の腫脹、感覚障害は持続している。Cさんは「家族は無事なのか」「また地震がきて病院が停電になったら、透析の器械は止まらないのか」と不安な表情で担当看護師に訴えた。Cさんの家族は避難所にいると連絡があったことを伝えると、Cさんは少し落ち着いた表情となった。担当看護師は、次々と搬送される傷病者の受け入れ準備をするよう、リーダー看護師に声をかけられた。この時点でのCさんへの対応で担当看護師が優先して連携するのはどれか。
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
午前10時、A県内で大規模災害が発生した。A県内の救命救急センターに、家屋等の倒壊現場から救助された傷病者の受け入れ要請があり病院に搬送された。直ちにトリアージが行われた。搬送されてきたBさん(45歳、男性)には頻呼吸が認められ、胸部と背部の痛みを訴え、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆している。
発災6時間、Cさん(60歳、男性)は、職場のがれきの下から救助され、搬送されてきた。Cさんの意識は清明、バイタルサインは、体温35.8℃、脈拍110/分、不整、血圧90/68mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(room air)である。がれきに挟まれていた両下肢は、皮膚の創傷、腫脹および皮下出血が認められた。両下肢の感覚は鈍く、麻痺がみられる。足背動脈は触知できる。尿の色は赤褐色である。血液検査の結果、尿素窒素20mg/dL、クレアチニンキナーゼ〈CK〉3万IU/L、血糖値110mg/dL、Na 140mEq/L、K 8.2mEq/Lであった。圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉が疑われ、救出後から輸液療法が開始されている。
- 1管理栄養士
- 2社会福祉士
- 3理学療法士
- 4臨床工学技士
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✓ これが正解4臨床工学技士
解説
停電時の透析装置への不安には臨床工学技士と連携します。
この問は、患者の訴えの内容と、その場面で必要な専門性から、担当看護師がまず連携すべき職種を判断します。臨床工学技士は、医師の指示のもとで生命維持管理装置の操作や保守点検を行う専門職で、血液透析の装置もその対象です。
Cさんは家族の無事を確かめて少し落ち着きましたが、地震でまた停電したら透析の器械が止まらないかという不安が残っています。また、担当看護師は次々に搬送される傷病者の受け入れ準備を求められており、Cさんのそばに付き続けることが難しい状況です。透析装置の停電時の動き方や安全の確保について正確に説明でき、装置の管理を担えるのは臨床工学技士なので、この職種と連携することが、Cさんの不安と安全の両方にこたえる対応です。管理栄養士は食事、社会福祉士は生活や制度の相談、理学療法士はリハビリテーションの専門職で、いずれも大切ですが、透析開始直後の今の訴えにこたえる職種ではありません。
したがって、担当看護師が優先して連携するのは臨床工学技士です。連携する職種は、患者が今何に困っているかと、それを解決できる専門性の組み合わせで選ぶ、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1管理栄養士:管理栄養士は、腎機能の低下に合わせた食事の調整などを担う職種で、透析を続けるうえでは大切な連携先です。しかし、停電時に透析の器械が止まらないかというCさんの今の不安にこたえる職種ではありません。
- 2社会福祉士:社会福祉士は、生活の困りごとや制度の利用、家族との調整などを支える職種です。被災後の生活の支援では大切になりますが、透析装置の安全についての訴えにこたえる専門性はもっていません。
- 3理学療法士:理学療法士は、運動や動作の練習を通して体の機能の回復を支える職種です。下肢の麻痺へのリハビリテーションは後で必要になりますが、透析開始直後の今の不安にこたえる職種ではありません。
出典:第112回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問120(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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