第115回 午後 問58
老年看護学
睡眠に関する問題
Aさん(70歳、男性)は1人で暮らしており、日常生活動作〈ADL〉は自立している。高血圧症で内服治療をしている。受診時にAさんから「最近、昼間に眠くなって、夜よく眠れない。どうしたらよいか」と看護師に相談があった。
Aさんの1日の過ごし方を図に示す。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
Aさんの1日の過ごし方の図(原典は図。0:00を上にした24時間の円グラフ。各区分の時刻は図から読み取ったおおよその値):
- 19:00ころ就寝〜4:00ころ起床:睡眠(睡眠中に*中途覚醒(トイレ)が3回:21:00ころ・23:00ころ・2:00ころ)
- 4:00ころ〜5:00ころ:新聞を読む
- 5:00ころ〜5:30ころ:テレビを観る
- 5:30ころ〜6:00ころ:朝食
- 6:00ころ〜11:30ころ:テレビを観る/掃除(週1回)
- 11:30ころ〜12:00ころ:昼食
- 12:00ころ〜14:30ころ:テレビを観る
- 14:30ころ〜15:00ころ:午睡(30分)
- 15:00ころ〜16:00ころ:テレビを観る
- 16:00ころ〜16:30ころ:夕食
- 16:30ころ〜18:30ころ:テレビを観る
- 18:30ころ〜19:00ころ:入浴
- 1午前中に散歩を取り入れる。
- 2昼食後に入浴する。
- 3午睡の時間を延ばす。
- 4夕食後は水分を摂らない。
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✓ これが正解1午前中に散歩を取り入れる。
解説
日中の活動を増やすため、午前中に散歩を取り入れるよう説明します。
高齢者の睡眠と生活リズムの知識で判断します。図から、Aさんは19時ころに寝て4時ころに起き、日中はほとんどテレビを観て過ごしていて、からだを動かす活動がほとんどありません。夜間には3回トイレのために目を覚ましています。日中の活動量が少ないと、昼間に眠くなりやすく、夜の睡眠も浅くなります。生活のリズムを整えるには、日中にからだを動かし、日光を浴びることが効果的です。
午前中に散歩を取り入れると、朝の光を浴びて体内時計が整い、適度な運動で日中の覚醒が保たれ、夜の眠りが深くなることが期待できます。昼食後に入浴すると、からだが温まってくつろぎ、昼間の眠気をかえって強めるおそれがあり、夜の眠りの準備にもなりません。午睡の時間を延ばすと、夜の眠りがさらに浅くなります。夕食後に水分を一切摂らないのは、夜間のトイレを減らす目的でも、脱水の危険が高まるため適切ではありません。高血圧症で治療中のAさんにとって、脱水は血液が濃くなるなど循環への悪影響も心配されます。
したがって、適切なのは午前中に散歩を取り入れることです。高齢者の不眠への援助は、まず日中の活動と光を増やして昼と夜のメリハリをつける、と覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2昼食後に入浴する。:昼食の後に入浴すると、からだが温まってくつろぎ、もともと強い昼間の眠気がさらに増すおそれがあります。夜に向けて眠りやすくする工夫にもならず、生活リズムは整いません。
- 3午睡の時間を延ばす。:午睡を長くすると、夜に必要な眠気が昼間に使われてしまい、夜の睡眠がさらに浅くなります。昼寝は短時間にとどめ、昼間は起きて活動する時間を増やす方が適切です。
- 4夕食後は水分を摂らない。:夕食後の水分を一切とらないと、高齢者は脱水に陥りやすくなります。夜間のトイレを減らしたい場合も、寝る直前の水分を控えめにする程度にとどめ、まったく摂らないのは危険です。
出典:第115回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問58(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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