令和7年度 問17
建物・設備
鉄筋コンクリート構造体の劣化現象とその発生原因として、「建築保全標準・同解説(JAMS)鉄筋コンクリート造建築物」(一般社団法人日本建築学会)によれば、最も不適切なものはどれか。
- 1乾燥収縮によるひび割れ
- 2酸・塩類による骨材のポップアウト
- 3凍結融解作用によるスケーリング
- 4中性化による鉄筋腐食
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✓ これが正解2酸・塩類による骨材のポップアウト
解説
ポップアウトの原因は酸・塩類ではなく、内部の骨材などの膨張です。
鉄筋コンクリートの劣化は、原因と現象の組み合わせで整理します。設問が引く建築保全標準・同解説(JAMS)に沿って、四つの組み合わせを確かめます。
ポップアウトは、コンクリート内部の骨材などが膨張し、表面の一部が円錐状に剥がれ落ちる現象です。主な原因は、骨材が吸った水の凍結による膨張や、アルカリシリカ反応(骨材とセメント中のアルカリ分との反応)による膨張とされています。酸や塩類はコンクリートの表面を化学的に侵す原因ですが、ポップアウトと組み合わせるのは適切ではありません。この組が最も不適切です。
ほかの組は適切です。乾燥収縮は、コンクリート中の水分が抜けて体積が縮むことで生じ、ひび割れの原因になります。凍結融解作用は、水分の凍結と融解の繰り返しで表面が薄く剥がれるスケーリングを起こします。中性化は、空気中の二酸化炭素によってコンクリートのアルカリ性が失われる現象で、鉄筋を守る働きが弱まり鉄筋腐食につながります。
ポップアウトは中から押し出される現象なので、原因も中で膨らむもの(凍結した水、アルカリシリカ反応)、と結び付けて覚えます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1乾燥収縮によるひび割れ:コンクリートは硬化した後に水分が蒸発すると体積が縮み、周りに拘束されているとひび割れが生じます。乾燥収縮はひび割れの代表的な原因で、この組み合わせは適切です。
- 3凍結融解作用によるスケーリング:水分の凍結と融解が繰り返されると、コンクリートの表面がうろこ状に剥がれるスケーリングが起こります。寒冷地で見られる劣化で、凍結融解作用を原因とする組み合わせは正しいものです。
- 4中性化による鉄筋腐食:中性化が鉄筋の位置まで進むと、アルカリ性による鉄筋の保護が失われ、鉄筋がさびやすくなります。中性化を鉄筋腐食の原因とする組み合わせは適切です。
出典:令和7年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問17
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