第58回 午前 問76
臨床医学
巨赤芽球性貧血で欠乏する栄養素
胃全摘出術後の巨赤芽球性貧血で欠乏する栄養素はどれか。
- 1ニコチン酸
- 2ビタミンA
- 3ビタミンB1
- 4ビタミンB12
- 5ビタミンC
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✓ これが正解4ビタミンB12
解説
胃全摘後は内因子がなくなりビタミンB12が欠乏します。
巨赤芽球性貧血は、赤血球をつくる途中でDNAの合成がうまくいかず、骨髄に大きな未熟な赤血球(巨赤芽球)が現れる貧血です。DNAの合成に必要なビタミンB12や葉酸が不足すると起こります。
ビタミンB12は、胃の壁細胞から分泌される内因子と結合して、小腸の終わりの回腸で吸収されます。胃を全部摘出すると内因子がつくられなくなるため、ビタミンB12を吸収できなくなります。体内の蓄えが尽きる数年後に、巨赤芽球性貧血が現れます。したがって、欠乏する栄養素はビタミンB12です。
ニコチン酸の欠乏はペラグラ、ビタミンAの欠乏は夜盲症、ビタミンB1の欠乏は脚気やWernicke脳症、ビタミンCの欠乏は壊血病を起こし、いずれも胃全摘後の巨赤芽球性貧血の原因ではありません。胃と回腸と内因子とB12、と四つを一続きで覚えておくと、手術後の貧血の問題で迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ニコチン酸:ニコチン酸が不足すると、皮膚炎・下痢・認知機能の低下を特徴とするペラグラが起こります。内因子とは関係がなく、胃全摘後の巨赤芽球性貧血の原因ではありません。
- 2ビタミンA:ビタミンAが不足すると、暗い所で物が見えにくくなる夜盲症や、皮膚や角膜の乾燥が起こります。赤血球のDNAの合成の障害とは関係しません。
- 3ビタミンB1:ビタミンB1が不足すると、脚気や、意識障害・眼球運動障害・失調を起こすWernicke脳症が起こります。巨赤芽球性貧血の原因となる栄養素ではありません。
- 5ビタミンC:ビタミンCが不足すると、コラーゲンがうまくつくれず歯ぐきや皮下から出血しやすくなる壊血病が起こります。巨赤芽球性貧血の原因ではありません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問76(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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