第58回 午後 問20
理学療法評価学
情報収集の方法として誤っているの
85歳の女性。右大腿骨頸部骨折のため入院し、人工骨頭置換術を行った。医師の診療録には、術後の経過は順調であるが、重度の右耳難聴と中等度の認知症があるとの記載があった。臨床実習での情報収集の方法として誤っているのはどれか。
- 1情報収集は一方的に行う。
- 2患者の左側から声をかける。
- 3患者への質問事項は紙に書く。
- 4家屋状況は同居家族からも聴取する。
- 5生年月日は患者本人と診療録の両方で確認する。
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✓ これが正解1情報収集は一方的に行う。
解説
情報収集は一方的に行わず、患者の様子に合わせて双方向で行います。
この問は、臨床実習で患者から話を聞くときのコミュニケーションの原則で判断します。情報収集は、患者が答えやすい環境を整え、相手の反応を確かめながら進めるやり取りです。こちらの聞きたいことだけを次々に聞く一方的なやり方は、患者に負担をかけ、正しい情報も得にくくなります。誤っているのはこの方法です。
この患者には重度の右耳の難聴があるので、聞こえる側である左側から声をかけるのは適切な配慮です。中等度の認知症もあるため、質問を紙に書いて見せると、耳だけでなく目からも内容が伝わり、理解を助けます。家屋の状況は、本人の記憶だけでは不確かな場合があるので、同居する家族からも聞き取ると確かな情報になります。生年月日を本人と診療録の両方で確かめるのは、患者を取り違えないための基本です。
患者の障害に合わせて伝え方を工夫し、複数の情報源で確かめる、という2点が情報収集の要です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2患者の左側から声をかける。:右耳の難聴が重いので、聞こえの保たれた左側から声をかけるのは理にかなった配慮です。情報収集の方法として正しく、誤っているものには当たりません。
- 3患者への質問事項は紙に書く。:難聴に加えて認知症もあるため、紙に書いて示すと目から内容を確かめられ、理解を助けます。患者に合わせた適切な工夫です。
- 4家屋状況は同居家族からも聴取する。:本人の話だけでは家の様子が不確かになることもあるので、同居家族から聞くことで情報を補えます。複数の人から確かめるのは正しい方法です。
- 5生年月日は患者本人と診療録の両方で確認する。:生年月日を本人の答えと診療録の記載の両方で確かめるのは、患者を取り違えないための基本的な確認です。誤った方法ではありません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問20(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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