第58回 午後 問40
生理学
持久力に必要なエネルギー供給系の説明で正しいのはどれか。
- 1ATPは大量に体内に保存できる。
- 2解糖系の過程をTCA回路という。
- 3解糖系は無酸素性エネルギー供給系である。
- 4酸化系は無酸素性エネルギー供給系である。
- 5ATP-CP系は有酸素性エネルギー供給系である。
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✓ これが正解3解糖系は無酸素性エネルギー供給系である。
解説
解糖系は、酸素を使わずにATPを作る無酸素性の供給系です。
筋の収縮に使われるエネルギーはATPで、体はATPを作り直す仕組みを3つもっています。ATP-CP系(クレアチンリン酸を使う系)、解糖系、酸化系(有酸素系)です。前の2つは酸素を使わない無酸素性、酸化系は酸素を使う有酸素性の供給系です。
解糖系は、ブドウ糖やグリコーゲンを分解してピルビン酸にする過程でATPを作ります。この過程に酸素は必要ないので、無酸素性エネルギー供給系という記述は正しいです。
ATPは筋の中にわずかしか蓄えられず、数秒の運動で使い切ってしまいます。そのため絶えず作り直す必要があります。TCA回路は、解糖系で作られたピルビン酸がミトコンドリアに入ってから進む過程で、酸化系の一部です。酸化系は酸素を使う有酸素性の系です。ATP-CP系は短時間の強い運動を支える無酸素性の系です。酸素を使うのはミトコンドリアで行われる酸化系だけ、と場所で覚えると、ほかの2つの系も無酸素性だと整理できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ATPは大量に体内に保存できる。:ATPは筋の中に少量しか蓄えられず、全力運動なら数秒で使い切る量です。大量に保存できないからこそ、3つの供給系で絶えず作り直しています。
- 2解糖系の過程をTCA回路という。:TCA回路は、ミトコンドリアの中で酸素を使って進む酸化系の過程です。細胞質で糖をピルビン酸まで分解する解糖系とは別の段階です。
- 4酸化系は無酸素性エネルギー供給系である。:酸化系は、ミトコンドリアで酸素を使って糖や脂肪からATPを作る仕組みで、有酸素性の供給系です。無酸素性ではありません。
- 5ATP-CP系は有酸素性エネルギー供給系である。:短距離走のような数秒の全力運動を支える系で、クレアチンリン酸のリン酸をADPへ渡して素早く再合成します。酸素の関与はなく、有酸素性という分類は誤りです。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問40(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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