第58回 午後 問61
生理学
骨格筋で正しいの
骨格筋で正しいのはどれか。
- 1健常成人では体重の約10 %を占める。
- 2赤筋線維はミトコンドリア量が少ない。
- 3筋疲労の化学的原因は乳酸の蓄積である。
- 4神経筋接合部での興奮の伝達は両方向性である。
- 5低負荷の運動強度では白筋線維が活性化しやすい。
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✓ これが正解3筋疲労の化学的原因は乳酸の蓄積である。
解説
古典的な説明では、筋疲労の化学的原因は乳酸の蓄積とされます。
この問は、骨格筋の量、筋線維の種類の特徴、神経筋接合部の性質、筋疲労の古典的な説明を整理できているかを問うています。
激しい運動を続けると、解糖系でエネルギーを作る過程で乳酸がたまり、筋の中が酸性に傾きます。古くからの生理学の説明では、この乳酸の蓄積が筋疲労の化学的な原因とされてきました。この問もこの説明に沿っており、筋疲労の化学的原因は乳酸の蓄積であるという記述が正しいものです。なお近年の研究では、乳酸そのものより、無機リン酸の蓄積なども疲労に関わると考えられています。
ほかの記述は、量、筋線維のタイプ、伝達の方向をそれぞれ取り違えています。骨格筋は体重のおよそ40%前後を占め、全身で最も大きな組織の一つです。赤筋線維はミトコンドリアや毛細血管、ミオグロビンが豊富な持久型の線維です。神経筋接合部では、神経の側から筋の側へだけ信号が伝わります。負荷が軽いときは、まず小さな運動単位である赤筋線維が働き、負荷が上がるにつれて白筋線維が加わります。筋線維は赤が持久、白が瞬発、と色と役割を結びつけて覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1健常成人では体重の約10 %を占める。:骨格筋は成人の体重のおよそ4割前後を占める、体の中でも大きな組織です。約10%では実際よりはるかに少なすぎます。
- 2赤筋線維はミトコンドリア量が少ない。:赤筋線維は酸素を使ってエネルギーを作る持久型の線維で、ミトコンドリアを多く含みます。少ないのは瞬発型の白筋線維です。
- 4神経筋接合部での興奮の伝達は両方向性である。:神経筋接合部では、神経終末から放出されたアセチルコリンが筋の受容体に結合して信号が伝わります。向きは神経から筋への一方向だけです。
- 5低負荷の運動強度では白筋線維が活性化しやすい。:低い負荷では、小さな運動単位に属する赤筋線維がまず動員されます。白筋線維が主に働き出すのは、負荷が高く強い力が必要になってからです。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問61(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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