第59回 午前 問23
生理学
筋収縮で正しいのはどれか。
- 1神経筋接合部の伝達物質はノルアドレナリンである。
- 2カルシウムイオンが筋小胞体内に取り込まれる。
- 3神経支配比はそれぞれの筋で異なる。
- 4エネルギー源はADPである。
- 5A帯が短縮する。
答えと解説を見る
✓ これが正解3神経支配比はそれぞれの筋で異なる。
解説
1本の運動ニューロンが支配する筋線維の数(神経支配比)は筋ごとに違います。
筋収縮は、運動神経からの指令が筋に伝わり、筋の中の細い線維と太い線維が互いに滑り込むことで起こります。神経と筋のつなぎ目(神経筋接合部)でアセチルコリンが放出され、筋の細胞が興奮すると、筋小胞体からカルシウムイオンが出て、ATPのエネルギーを使ってアクチンとミオシンが滑り合います。
神経支配比は、1本の運動ニューロンが何本の筋線維を支配しているかを表す値です。眼を動かす筋のように細かい動きをする筋では支配する筋線維が少なく、下肢の大きな筋のように大きな力を出す筋では多くなります。このように筋ごとに値が異なるので、この記述が正しいものです。
ほかの記述は、伝達物質の種類、カルシウムイオンの動く向き、エネルギー源の物質、収縮のときに長さが変わる帯の名前のどれかが誤っています。覚え方は、収縮で短くなるのはI帯とH帯でA帯は変わらない、伝達物質はアセチルコリン、エネルギーはATP、と要点を組にしておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1神経筋接合部の伝達物質はノルアドレナリンである。:骨格筋の神経筋接合部で働く伝達物質はアセチルコリンです。ノルアドレナリンは交感神経の節後線維の終末などで働く物質で、骨格筋の収縮を起こす伝達物質ではありません。
- 2カルシウムイオンが筋小胞体内に取り込まれる。:筋が収縮するときは、カルシウムイオンが筋小胞体から細胞の中へ放出されます。筋小胞体に取り込まれるのは、収縮が終わって筋がゆるむときの動きです。
- 4エネルギー源はADPである。:筋収縮に直接使われるエネルギー源はATPで、分解されてADPになるときのエネルギーで線維が滑り合います。ADPは使われたあとの物質で、エネルギー源ではありません。
- 5A帯が短縮する。:収縮のときは、太い線維の長さにあたるA帯の幅は変わりません。細い線維が滑り込むことで短くなるのは、I帯とH帯です。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問23(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)