第59回 午前 問48
臨床医学
脊髄小脳変性症に関する問題
脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1Frenkel体操が有効である。
- 2視野障害を伴うことが多い。
- 3包括的な評価指標にSARAがある。
- 4有病率は人口10万人あたり100人である。
- 5自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。
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✓ これが正解1Frenkel体操が有効である。
✓ これが正解3包括的な評価指標にSARAがある。
解説
Frenkel体操が用いられ、総合的な評価指標としてSARAがあります。
脊髄小脳変性症は、小脳やそれにつながる神経の経路が少しずつ変性し、運動失調(手足や体幹の動きの協調がうまくいかないこと)を主な症状とする病気の総称です。遺伝性のものと非遺伝性のものがあり、日本では非遺伝性のものが多いとされます。非遺伝性のものの中には、自律神経の障害を伴う多系統萎縮症が含まれます。
一つめの正しい記述は、Frenkel体操が有効であることです。Frenkel体操は、手足の動きを目で確かめながら、決められた位置へゆっくり正確に動かす練習を繰り返して協調性を高める運動療法で、失調症のリハビリテーションに用いられます。
二つめは、包括的な評価指標にSARAがあることです。SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)は、歩行、立位、座位、話し方、指の追いかけ、指鼻試験、手の回内回外の反復、踵すね試験の8項目で、運動失調の重さを総合的に点数にする評価です。
ほかの記述は、伴いやすい症状、病気の多さ、自律神経障害の多い型のどれかが誤っています。覚え方は、失調の練習はFrenkel体操、失調の評価はSARA、自律神経障害は非遺伝性の多系統萎縮症に多い、と組にしておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2視野障害を伴うことが多い。:脊髄小脳変性症の主な症状は運動失調で、視野が欠ける障害を伴うことは多くありません。眼の症状としては、眼振(目が揺れる動き)などがみられることがあります。
- 4有病率は人口10万人あたり100人である。:脊髄小脳変性症は指定難病の一つで、人口10万人あたり100人という多さの病気ではありません。100人という値は、実際に推計されている有病率より大きく見積もった数です。
- 5自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。:起立性低血圧や排尿障害などの自律神経障害は、非遺伝性の脊髄小脳変性症の中心である多系統萎縮症で目立ちます。遺伝性のほうが多いとする記述は逆です。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問48(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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