第59回 午前 問84
リハビリテーション医学
脳卒中回復期の嚥下障害に対する最も適切な栄養管理はどれか。
- 1水分にとろみは使用しない。
- 2胃瘻造設後には経口摂取は行わない。
- 3経鼻胃管による経管栄養は誤嚥の危険はない。
- 4点滴管理は栄養摂取量を考慮する必要はない。
- 5経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない。
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✓ これが正解5経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない。
解説
経鼻胃管は誤嚥や不快感が続くため、長期の栄養管理には向きません。
脳卒中の回復期で嚥下障害がある患者では、誤嚥を防ぎながら必要な栄養と水分を確保することが、リハビリテーションを進める土台になります。栄養の入れ方には、口から食べる経口摂取、鼻から胃へ管を入れる経鼻胃管、お腹の皮膚から胃へ直接管を入れる胃瘻、点滴などがあり、期間や嚥下の状態に合わせて選びます。
経鼻胃管は、手術をせずに始められるので短い期間の栄養管理には便利ですが、管がのどを通っているため、不快感が強く、のどの動きを妨げ、胃の内容物が逆流して誤嚥性肺炎を起こすこともあります。鼻やのどの粘膜を傷めることもあり、長い期間の栄養管理には適しません。長期にわたる場合は、胃瘻などへの切り替えが検討されます。この記述が最も適切です。
ほかの記述は、とろみの使い方、胃瘻のあとの経口摂取、経鼻胃管の誤嚥の危険、点滴での栄養量の考え方のどれかが誤っています。覚え方は、経鼻胃管は短期向き、長期なら胃瘻、胃瘻があっても口から食べる練習は続けられる、と組にして覚えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1水分にとろみは使用しない。:水分はさらさらしていて、のどを速く流れるため、嚥下障害のある人では誤嚥しやすくなります。とろみをつけて流れる速さを遅くすることは、誤嚥を防ぐための基本的な工夫です。
- 2胃瘻造設後には経口摂取は行わない。:胃瘻をつくったあとも、嚥下の状態に応じて、口から食べる練習や楽しみのための経口摂取を続けることができます。胃瘻は経口摂取をやめる処置ではありません。
- 3経鼻胃管による経管栄養は誤嚥の危険はない。:経鼻胃管で栄養を入れていても、胃の内容物が逆流したり、管がのどの動きを妨げたりして誤嚥が起こることがあります。誤嚥の危険がないとする記述は誤りです。
- 4点滴管理は栄養摂取量を考慮する必要はない。:点滴で管理する場合も、必要なエネルギーやたんぱく質がとれているかを考える必要があります。水分だけを補う点滴が続くと、栄養が足りずに体力や筋力が落ちてしまいます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問84(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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