第59回 午前 問92
臨床医学
手根管症候群でみられる症候
手根管症候群でみられる症候はどれか。
- 1下垂手
- 2骨間筋の萎縮
- 3小指のしびれ
- 4母指球筋の萎縮
- 5Guyon管のTinel徴候陽性
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✓ これが正解4母指球筋の萎縮
解説
手根管で正中神経が圧迫されるので、母指球筋の萎縮がみられます。
手根管症候群は、手首の手のひら側にある手根管というトンネルの中で、正中神経が圧迫されて起こる病気です。手根管は手根骨と、その上に張る横手根靱帯に囲まれた狭い通り道で、指を曲げる腱と正中神経が一緒に通っています。手の使いすぎ、妊娠や更年期の女性、透析を受けている人などに起こりやすいとされています。
正中神経は、母指から環指の母指側半分までの手のひら側の感覚と、母指球の筋(短母指外転筋、母指対立筋など)の運動を担います。手根管で圧迫されると、まず母指から環指にかけてのしびれが出て、進むと母指球筋がやせて平らになり、母指を他の指と向かい合わせる対立運動がしにくくなります。母指球筋の萎縮がみられるという記述が正しいものです。
ほかの症候は、橈骨神経や尺骨神経の障害でみられるものです。覚え方は、手根管は正中神経で母指側のしびれと母指球のやせ、Guyon管は尺骨神経で小指側のしびれと骨間筋のやせ、下垂手は橈骨神経、と神経ごとに組にしておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1下垂手:下垂手は、手首と指を伸ばす筋が麻痺して手首が垂れ下がる状態で、橈骨神経の障害でみられます。手根管で圧迫されるのは正中神経なので、下垂手は起こりません。
- 2骨間筋の萎縮:骨間筋は、指を開いたり閉じたりする手の内側の筋で、尺骨神経が支配します。骨間筋の萎縮は尺骨神経の障害でみられ、正中神経の障害である手根管症候群の特徴ではありません。
- 3小指のしびれ:小指のしびれは、小指側の感覚を担う尺骨神経の障害でみられます。正中神経は小指の感覚を担わないので、手根管症候群では小指はしびれません。
- 5Guyon管のTinel徴候陽性:Guyon管は、手首の小指側にある尺骨神経の通り道です。ここを叩いてしびれが走るのは尺骨神経の障害で、正中神経が圧迫される手根管症候群の所見ではありません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問92(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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