第59回 午後 問7
理学療法治療学
足関節外側靱帯損傷に関する問題
17歳の女子。サッカー中に転倒し歩行困難となったため受診した。右足関節外側靱帯損傷と診断され、安静目的に10日間の固定を行った。短下肢装具を着用し、理学療法を開始した。正しいのはどれか。
- 1足関節周囲筋のストレッチを行う。
- 2歩行練習は圧痛が改善してから開始する。
- 3装具はできる限り早く外すように指導する。
- 4バランストレーニングは開眼片脚起立から開始する。
- 5筋力トレーニングは閉鎖性運動連鎖〈CKC:closed kinetic chain〉から開始する。
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✓ これが正解1足関節周囲筋のストレッチを行う。
解説
固定後に短縮した足関節周囲筋のストレッチを行うのが適切です。
足関節外側靱帯損傷は、足関節を内側へひねったときに外くるぶしの靱帯が傷つくけがで、いわゆる足関節捻挫の多くがこれに当たります。この患者は安静のために10日間固定されていたので、足関節周囲の筋や関節包が短縮して柔軟性が落ち、可動域が制限されやすい状態です。可動域の制限が残ると、歩き方の乱れや再受傷につながります。そこで、損傷した靱帯に強い内反の力をかけない範囲で足関節周囲筋のストレッチを行い、柔軟性を取り戻すことが適切です。
ほかの肢は、歩行・装具・バランス・筋力のそれぞれで、開始の時期や段階づけの順序が合っていません。装具で靱帯を守りながら痛みの範囲で荷重を進め、練習は易しい課題から難しい課題へ進めるのが基本です。
固定の後は、まず失われた柔軟性の回復、次に段階的な荷重・バランス・筋力の練習、と順番で整理しておくと、こうした問いで選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2歩行練習は圧痛が改善してから開始する。:外側靱帯損傷では、装具で内反を防ぎながら、痛みの範囲内で荷重や歩行を早めに再開するのが一般的です。圧痛が消えるまで歩かせないと、筋力の低下や可動域の制限が進み、競技への復帰も遅れます。
- 3装具はできる限り早く外すように指導する。:装具は、修復中の靱帯に内反の力がかからないように守る役割をもちます。早く外すように指導すると、靱帯が十分に修復しないうちに再び捻る危険が高まり、不安定性が残る原因になります。
- 4バランストレーニングは開眼片脚起立から開始する。:バランスの練習は、両脚で立つなど支持面が広く安定した課題から始め、片脚で立つ課題はその後に進めます。固定を外した直後から片脚で立たせると、患側の足関節に大きな負担がかかります。
- 5筋力トレーニングは閉鎖性運動連鎖〈CKC:closed kinetic chain〉から開始する。:体重をかける閉鎖性運動連鎖の練習は、足関節に荷重やねじれの力が加わるため、後の段階で行います。初めは体重をかけない運動や等尺性の収縮から始め、段階的に荷重を増やしていきます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問7(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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