第59回 午後 問32
運動学
内側型変形性膝関節症に関する問題
内側型変形性膝関節症における歩行の特徴で正しいのはどれか。
- 1歩隔は狭くなる。
- 2両脚支持期は短くなる。
- 3骨盤の回旋は大きくなる。
- 4股関節伸展角度は増加する。
- 5床反力前後成分は小さくなる。
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✓ これが正解5床反力前後成分は小さくなる。
解説
痛みで歩行が遅く慎重になり、床反力の前後成分は小さくなります。
内側型変形性膝関節症では、膝の内側の痛みと可動域の制限のため、歩き方が慎重でゆっくりになります。歩行速度が落ちると、一歩ごとに体を前へ加速したり止めたりする力が小さくてすむため、床反力のうち前後方向の成分(ブレーキと推進の力)は小さくなります。したがって、床反力前後成分が小さくなるという記述が正しいといえます。
ほかの肢は、遅く慎重な歩き方の特徴と逆の方向を述べています。痛む脚にかかる時間を減らし安定を得ようとするため、両足で支える時間はむしろ長くなり、歩幅が小さくなることで骨盤や股関節の動きも小さくなる傾向があります。横方向の足の間隔を狭めて不安定にする変化も、この疾患の歩行の特徴として挙げられるものではありません。
痛む膝をかばう歩行は、遅く、小さく、慎重になる、と全体像をつかんでおくと、個々の指標の増減を判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1歩隔は狭くなる。:歩隔は左右の足の横方向の間隔です。膝の痛みで不安定さを感じる歩行では、支える面を広げて安定を得る方向に働くと考えられ、歩隔が狭くなることはこの疾患の歩行の特徴とはされていません。
- 2両脚支持期は短くなる。:歩行速度が遅くなると、一歩の周期の中で両足が地面についている時間の割合は長くなります。痛む脚だけで支える時間を減らそうとすることも加わり、両脚支持期が短くなるとはいえません。
- 3骨盤の回旋は大きくなる。:歩幅が小さく慎重な歩き方では、骨盤を回して脚を前へ大きく振り出す動きも小さくなります。骨盤の回旋が大きくなるという変化は、この疾患の歩行の特徴として当てはまりません。
- 4股関節伸展角度は増加する。:歩幅が小さくなると、立脚の後半で脚を後ろへ送る動きも小さくなり、股関節の伸展角度は減る傾向にあります。膝の伸展制限を伴うことも多く、伸展角度が増加するとはいえません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問32(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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