第59回 午後 問64
生理学
各臓器と血流量の局所性調節の組合せで正しいのはどれか。
- 1骨格筋 ―― 乳酸の蓄積が血管を収縮
- 2心臓 ―― 低酸素が冠細動脈を収縮
- 3脳 ―― 二酸化炭素分圧上昇が細動脈を収縮
- 4肺 ―― 低酸素が細動脈を収縮
- 5皮膚 ―― 交感神経亢進が細動脈を拡張
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✓ これが正解4肺 ―― 低酸素が細動脈を収縮
解説
肺では低酸素の部位の細動脈が収縮し、血流を換気のよい所へ回します。
臓器の血流量は、神経やホルモンによる全身の調節に加えて、その場の代謝の状態や酸素の量に応じた局所性の調節を受けます。多くの臓器では、酸素が足りない、二酸化炭素や乳酸がたまるといった状態になると細動脈が広がり、血流を増やして酸素を届けます。ところが肺では逆に、肺胞の酸素が少ない場所の細動脈が収縮します(低酸素性肺血管収縮)。換気の悪い肺胞への血流を減らし、換気のよい肺胞へ血液を回すことで、効率よく酸素を取り込むための仕組みです。したがって、肺と低酸素による細動脈の収縮の組合せが正しいといえます。
ほかの組合せは、それぞれの臓器での血管の反応の向きが逆になっています。
全身の臓器では低酸素で血管が広がり、肺だけは低酸素で血管が縮む、と肺を例外として覚えておくと、局所性調節の問いで迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1骨格筋 ―― 乳酸の蓄積が血管を収縮:運動中の骨格筋では、乳酸や二酸化炭素などの代謝産物がたまると細動脈が拡張し、筋への血流が増えます。乳酸の蓄積が血管を収縮させるという記述は、反応の向きが逆です。
- 2心臓 ―― 低酸素が冠細動脈を収縮:心筋は酸素の消費が多く、酸素が足りなくなるとアデノシンなどの働きで冠細動脈が拡張し、血流が増えます。低酸素が冠細動脈を収縮させるという記述は誤りです。
- 3脳 ―― 二酸化炭素分圧上昇が細動脈を収縮:脳の血管は二酸化炭素分圧に敏感で、分圧が上がると細動脈が拡張して脳血流が増えます。二酸化炭素分圧の上昇が細動脈を収縮させるという記述は、実際の反応と逆です。
- 5皮膚 ―― 交感神経亢進が細動脈を拡張:皮膚の細動脈は交感神経の支配を強く受け、交感神経が亢進するとノルアドレナリンの作用で収縮し、皮膚の血流は減ります。寒いときに皮膚が白くなるのはこのためで、拡張するという記述は逆です。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問64(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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